雨天中断の間に昼寝!龍谷大平安が集中力アップし快勝!名将・原田監督のアイデアが冴えわたる【24年夏・京都大会】
<第106回全国高校野球選手権京都大会:龍谷大平安 5-0 乙訓>◇24日◇準々決勝◇わかさスタジアム京都 【一覧】龍谷大平安の主力選手 龍谷大平安が乙訓を下して4強入り。先発を任されたエースの大西 傳心(3年)は6安打1四球8奪三振で3試合連続の完封勝利を果たした。チーム全体としてもここまでの4試合で無失点、無失策と高いディフェンス力を発揮している。 試合序盤は大西と乙訓のエース・山村 寛(3年)によるハイレベルな投手戦となった。0対0のまま3回裏、乙訓の攻撃が始まろうとしたところで雷雨により試合が中断。雨が強く降った時間もあったため、中断時間は2時間49分にも及んだ。 30年以上のキャリアを持つ龍谷大平安の原田英彦監督にとってもこれだけ長い中断は初めての経験。「一回、クリーニングが必要だった」と感じた原田監督は一部を除いた選手をロッカールームに集めて、15~20分ほど昼寝をさせた。 一度スイッチを切ることで、再開後にフレッシュな状態で試合に臨む。この作戦は見事に成功した。 「凄く集中力が上がって、魔法だなと思うくらい。だいぶ違いましたね。あの時間は本当に良かったと思います」と主将の藤原 一輝(3年)は言う。名将のアイデアは選手の体だけでなく、打線も目覚めさせた。 3回まで山村相手に1安打に抑えられていた龍谷大平安だが、4回表に二死一塁から6番・佐藤 優喜(3年)の左越え適時三塁打で先制。その後も小刻みに得点を加え、終わってみれば12安打5得点と山村を攻略した。 昼寝をせずに室内練習場で体を動かしていた大西は伸びのあるストレートを軸に乙訓打線を抑え込む。「終盤になるにつれてコントロールがさらに良くなってきた」と制球も安定し、4回戦の立命館宇治戦で5つ出した四死球もこの日は1つだけだった。 「少しずつ一体感が出てきて、四球やエラーで乱れることがなくなった。バラバラだったチームに一体感が出てきた」と原田監督は大会を通じてチームの成長を実感している。 準決勝の相手は春の近畿王者である京都国際。現3年生が入学してからは一度も勝てていない相手だが、「自分たちのやれることに対して全力でやれたら、負けるような相手じゃないと思っているので、しっかり準備して入りたいと思います」と藤原は闘志を燃やす。名門のプライドにかけて京都の頂点は譲れない。