「90歳」東海林のり子さん 「死ぬのは全然怖くない」と語る理由 バランス考えた食事は「めんどくさい」
宇野千代さんから影響
死生観で影響を受けたのは、小説家の宇野千代さんです。宇野さんが90代の時に、小豆島のオリーブオイルのCMをやっていたのですが、私がそのCMを引き継がせていただきました。 当時、宇野さんが「死なないような気がする」と言っていて、その言葉がいいなと思ったんです。私も「死なないような気がする」。だって、いつ死ぬかって考えてもしょうがないから。 なぜ、宇野さんにそうした強さがあったのかを考えたら、たくさん恋愛していたからなんです。やっぱり男に惚れるっていうのがなかったらダメだと思う。私も韓国ドラマを見て、パク・ソジュンと、もしかしたらデートできるかしらと思ったりしますから(笑)。 たとえ年を取っても、この人と恋愛できるかもしれないという思いがなかったら、早く死んじゃったと思うんですよね。 あとは、想像力っていうのは人間にとってすごく大事だと思っています。そのためには、やっぱり本を読んだ方がいい。 私の場合、刑事モノばかり読んでいいます。事件の仕事をやっていたので、やっぱり刑事モノが面白いんです。大体、捜査一課が出てきますから。 好きな作家は堂場瞬一さん。シリーズでは、同じ名前の刑事が出てくるんです。だんだん、テーマも新しくなってきて、最近は振込詐欺を扱ったりする。大事なのは、想像力。読んでいる時に、この刑事はどうやって解決するのかを考えるんです。想像すれば楽しくなりますから。想像力を高めるために、本はいつもそばに置いています。 体力面に関しては、しょっちゅう転んで骨にひびが入ったりしているので、週2回くらい、スポーツセンターへリハビリに行っています。 リハビリの理学療法士さんって、みんな若い男の子なんです。だから、楽しい。色々、からかったりして……。マスクしているから、みんなかっこよく見えるんです。孫みたいな男の子と会話を楽しんでいます。
「ふたご座の女の子を探しなさい」
「あら、あなた恋人いないの?」と言うと、「いない」と言うんです。そうすると、「バカね」と返してあげる。「どういう女の子がいいですかね?」と聞いてくるから、「ふたご座の女の子を探しなさい」と教えてあげます。私、ふたご座だから(笑)。リハビリだからって、深刻さはないんです。いずれ治ると思っているから。 行く場所、行く場所によって、なんか楽しいことやってればいい。そうすると1日がすぐ終わるので。85歳を過ぎたぐらいから、ますます人生が楽しくなってきた。それまでは、結構現実的なことを考えたりしていました。 終活はしていないですね。だってもう勝手に死んじゃえばいいんですから。荷物が多くて、息子が「片付けるのが大変だろうな」とか言うんだけど、もう死んじゃえば、あとは業者かなんかが来て持ってけばいいんですよね。 90歳になったという実感はあまりなくて、まだ先にいけるなと思っています。このままいけば100までいけるかもしれないでしょ。死ぬ時は死ぬ時だから。死ぬのは全然怖くない。でも、まだまだ知りたいことはいっぱいありますから。毎日1個ずつでも、新しいことを知りたいんです。 *** いつまでも好奇心旺盛な東海林さん。現役のリポーター時代は4000以上の現場に足を運んだ。第3回では事件現場、ワイドショーについて語る。 デイリー新潮編集部
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