のとじま水族館春に全面再開 知事年頭会見 イルカショー復活へ
石川県の馳浩知事は6日、県庁で年頭会見に臨み、昨年の能登半島地震で被災したのとじま臨海公園水族館(七尾市)を今春に全面再開する方針を示した。2月中にアシカ舎の再建を終え、春休み期間に合わせて水族館の目玉であるイルカとアシカのショーを復活させる。馳知事は「カップルや子ども連れなど多くの方に来館いただきたい」と語り、「復興元年」の能登誘客に意欲を示した。 新しいアシカ舎は平屋建てで床面積は従来の2・7倍となる約19平方メートル。これまではショーでしかアシカを目にすることができなかったが、新たに日光浴ができるスペースを設け、普段の姿を公開する。 日本水族館協会のクラウドファンディングや日本動物園水族館協会からの見舞金を再建の費用に充てた。完成に合わせ、アシカを避難先から移す予定で、これにより地震後に他の施設に避難させていた生き物が全て戻ることになる。 昨年8月に避難先から戻ったペンギンについては、3連休初日の今月11日から館内を歩かせる「お散歩タイム」を再開する。 復興に向けた取り組みを推進する「産学官石川復興プロジェクト会議」の具体策として、かつて学生三大駅伝の一つと称された「能登駅伝」の基本計画策定に新年度着手する考えも示した。駅伝の発着地について問われた馳知事は「七尾市か志賀町から始まって、どちらかにゴールするのが妥当」と述べた。 同会議には県のほか、北國新聞社、北國フィナンシャルホールディングス(FHD)、北陸電力、金大、金沢学院大が参画している。 ●「花嫁のれん」3月再開 JR西の観光列車 JR西日本金沢支社は6日、能登半島地震後運休していた金沢―和倉温泉間の観光列車「花嫁のれん」の運転を3月7日に再開すると発表した。当面は団体ツアー専用の臨時列車として不定期で運行する。 和倉温泉で宿泊施設が一部再開していることや、地元から運行を望む声が上がっていたことから再開を決めた。「花嫁のれん」は地震前は休日や多客期を中心に1日2往復で運行していた。一般客の利用再開時期は未定となっている。