えんじゃら節の教本動画 砺波の保存会が制作 継承へ分かりやすく
●三味線、唄、踊り9種類 1980年代に発掘された砺波市の民謡「砺波えんじゃら節」の教本ビデオが制作され、27日、市役所でお披露目された。三味線、唄、踊りについて動画を見ながら分かりやすく練習できる内容で、解説版を含めて9種類ある。地域文化の継承、普及に役立てる。制作した砺波えんじゃら節保存会は動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信を始めた。 ビデオは伴奏・三味線編が3本、唄編が1本、踊り編が5本となっている。 伴奏・三味線編は楽譜がカラオケ動画の歌詞のように進行し、ポイント解説などを交えながら、演奏練習ができる。スピードのゆっくりしたパターンや、楽譜が読めない人用の動画を用意した。 踊り編は前向きと後ろ向きの演者2人を同時に見ながら、踊りの所作や動きをを学べる。気をつけるポイントが解説で入り、表現豊かに踊りができるという。 踊りの動画は通常のえんじゃら節のほか、「酒田踊り」「袖しぼり」の2種類のえんじゃら節もある。二つの踊りは踊れる人が少ないとされ、動画として記録に残すことも狙っている。 えんじゃら節は盆踊り民謡として親しまれたが、戦争中から戦後にかけて途絶えた。しかし、砺波市教育委員会に残されていたテープをもとに、保存会の平野専正会長が1985(昭和60)年、三味線や太鼓の伴奏を付けて発掘。2000年には日本民謡協会全国大会の発掘民謡に選ばれた。保存会ではCDやDVDを制作、ホームページなどで普及に取り組んできた。 保存会の平野健太理事長は「素朴でノリのいい民謡なので、SNS(交流サイト)を使ってさらに広めたい」と意欲を見せた。