【有馬記念】ドウデュースの育成手掛けたノーザンF空港の木村純一調教厩舎長「感謝しかない」
<故郷からエール> グランプリ有馬記念(G1、芝2500メートル、22日=中山)の枠順が19日に確定した。 「この馬には感謝しかないです。まずは、無事に。その上で結果が出れば、という気持ち。有終の美を飾れれば最高ですね」。北海道でドウデュースの育成、調教を手掛けてきたノーザンファーム空港の木村純一調教厩舎長(42)は、記録ずくめの有終Vを目指す愛馬にねぎらいの言葉を贈った。 これまで数々の名馬が巣立っている国内有数の育成牧場で木村厩舎は、ドウデュースの世代となる19年産駒から本格始動となった。「任せていただいてから(朝日杯FSで)初のG1勝ち馬になってくれました。駆け出しのころに“名刺代わり”になってくれて、本当に助かりましたし、ありがたかった。スタッフのモチベーションも一気に上がったことを昨日のことのように覚えています」と笑顔で振り返る。 担当した同世代はホープフルS勝ちのキラーアビリティや、ローシャムパーク、インダストリア、ジュンブロッサムと計5頭が重賞ウイナーとなっている。「キラーは当初から動きや見た目も良く、動かしても走りそうという感じでしたが、ドウデュースは筋肉質で少し硬さもありました。ストライドもあまり出ていなかったので、ダートかな、というイメージでした。それがこれほどの変身を遂げるのですから、本当に驚いていますし、今後に向けてとても勉強になります」。 引退後は、牧場からほど近い名門の社台スタリオンSで種牡馬入りが約束されている。「出迎えに行かないといけないですね。昨春に休養で戻ってきた時もかなり馬っ気が強かった(笑い)。種馬は、むしろ主戦場でしょう。子どもたちも楽しみです」と第2の馬生にも期待を寄せていた。【奥村晶治】