SOLIDWORKSのこれまでとこれから――プラットフォームやAIが何をもたらすのか
パートナーシップによる機能強化やAI機能の方向性
クマー氏はパートナーシップの拡大による強化の方向性についても触れた。Cadence Design Systems(以下、ケイデンス)との協業により、ケイデンスのPCB設計ソフトウェア「OrCAD X」およびデザインプラットフォーム「Allegro X」を統合したエレメカ協調設計におけるコラボレーションエクスペリエンスを提供するという。また、エレメカ協調設計の話題に関連し、フルクラウドの設計機能「3D Mechatronics Creator」についても紹介した。 AIを活用した機能については、既に「Design Assistant」を提供しており、その中で「Mate Helper(合致作成のデザイン支援)」「Sketch Helper(スケッチのデザイン支援)」などSOLIDWORKSユーザーに提供していることをアピールするとともに、AIによるコマンド予測機能の開発も進められていることを紹介した。 さらに、画像からスケッチを生成するAI機能の開発も行っているという。例えば、駆動部のある装置のポンチ絵を紙に描き、それをカメラで撮影して画像を取り込むと、形状(スケッチ要素)はもちろんのこと、固定点やスライド、ジョイントなどの機構的な要素も認識し、動きのあるスケッチを生成してくれる。 その他、3Dモデルから2D図面を生成する機能や、2024年7月にパートナーシップを発表したMistral AIとの取り組みにも言及し、ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)によって質問に回答してくれる「SOLIDWORKS Forum Chat(Bot)」などを紹介した。「AIの活用によって生産性が向上し、設計者はイノベーションの創出により多くの時間を割けるようになる。ここで紹介したものはわれわれが開発を進めているAI機能のごく一部となるが、常に業界と技術トレンドに注目し、生産性の向上に寄与する機能開発に取り組んでいる」(クマー氏)。
MONOist