奨学金の返済支援「奨学金バンク」 足利市の「エアロエッジ」など栃木県内複数企業も登録
とちぎテレビ
物価高などの影響で増えている奨学金利用者の返済を支援するため今年3月に企業と学生を結ぶ「奨学金バンク」が設立されました。県内の複数の企業が社会貢献活動の一環として「奨学金バンク」に登録しています。 このうち県内で「奨学金バンク」の登録企業第一号となったのは去年7月に東京証券取引所のグロース市場へ上場を果たした航空機エンジン部品を製造する足利市の「エアロエッジ」です。 「奨学金バンク」は今年3月に東京の人事コンサルティング会社が設立した国内の企業と奨学金を借りている学生をつなぐ人材紹介のプラットフォームです。「奨学金バンク」を通じて登録企業へ就職した学生は就業から最低でも3年間、「独立行政法人日本学生支援機構」への奨学金の返済の一部もしくは全額の「肩代わり支援」を受けることができます。 エアロエッジでは今後新年度の採用内定者のうち希望者に「肩代わり支援」を行う方針ですまた、26年の大学卒業予定者や金銭的な理由から進学をあきらめざるを得なかった地域の工業系の高校生に説明会を開くなどして「奨学金のバンク」の周知を行い地域の人材育成につなげたいとしています。 80年ほど前に国の事業として設けられた日本の「奨学金制度」を巡っては1990年代半ばまでは利用者が大学生の20%程度にとどまっていたものが大学進学が一般化したことや学費の上昇などを背景に2022年には55.0%まで増加しているといいます。 また自己破産者はおよそ1万5千人に上るほか、奨学金の存在が新たなキャリアチャレンジを阻害し結婚や出産といったライフステージの変化にも積極的になれないなど奨学金返済の経済的負担が社会課題となっています。 「奨学金バンク」の登録者の数はサービスの始まった今年3月からこれまでにおよそ1千人に達し支援を行う国内企業の数は全国でおよそ150社に上るなど支援の輪が広がっています。
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