カンカン…警報音が鳴る踏切内、間一髪で高齢夫妻を救出 61歳男性に感謝状
踏切内で立ち往生していた80代の高齢夫婦を救助したとして、大阪府警布施署は大阪府東大阪市の自営業、福田啓行さん(61)に感謝状を贈った。現場の踏切では昨年も人身事故が起きており、普段からリスクを意識していたことがとっさの行動につながった形だ。 同署などによると、福田さんは今月9日午後1時15分ごろ、同市の近鉄大阪線弥刀(みと)駅近くを乗用車で通りかかった際、踏切内で自転車を押す姿勢で立ち止まっている80代の男性を見つけた。 同踏切は軽い上り坂になっており、男性は妻とともに身動きがとれなくなっていた。 福田さんは車を降り、通りかかった女性とすぐさま夫妻を踏切の外に連れ出した。電車の接近を知らせる警報機が鳴り、遮断機も下り始めており、まさに間一髪の救出だった。 この踏切では昨年7月、自転車の男性が転倒し、列車と接触して死亡する事故もあったという。 布施署の冨山浩次署長から感謝状を受け取った福田さんは「たいしたことはしていないです」とはにかみつつ、「近所に住んでいて危ない踏切だとは知っていたので、助かってよかった」と振り返った。 一緒に救助した女性は名乗らずにすぐ立ち去ったといい、福田さんは「女性のおかげで救助できた。私よりもその女性にぜひ感謝状を渡してほしい」と話した。 同署の堀慎吾地域課長は「踏切内での立ち往生や転倒を見かけた際は、列車の運転士に危険を伝えるため躊躇(ちゅうちょ)せず非常ボタンを押してほしい。自身が踏切内で不測の事態になったときは、大声で助けを求めて」と呼びかけている。