業界に衝撃、話題のAI動画生成Runwayの「Gen-3 Alpha」、注目すべきポイントは?
ほぼリアルタイムでのAI動画生成が可能に
「Gen-3 Alpha Turbo」はターボという名を持つことからも想像できるように、動画生成の速さに強みがある。 RunwayAIの共同創業者クリストバル・バレンズエラ氏は、新モデルについて「文章入力よりも早く動画生成ができる」と述べたが、その言葉通り、「Turbo」は、AIビデオ生成モデルのタイムラグ問題が軽減され、特に迅速な動画の処理が求められる業界で、より効率的なワークフローが実現できる。
リーズナブルな価格設定で個人クリエイターでも利用しやすい
この新モデルは、速度の大幅な向上に加えて、コストが大幅に抑えられたことも注目を集めている。 1秒の動画生成に5クレジット(1クレジットあたり0.01ドル)という低価格が提供されており、コスト面でも競争力が強化されているといえる。 また、Runway Gen-3は、サブスクリプションプランを無料お試しプランのベーシックからビジネスユース向けのエンタープライズまで5種類提供しているが、この新モデルは全サブスクリプションプラン(ベーシックを含む)で利用可能だ。 これにより、予算に制約がある個人や小規模ビジネスでも、質の高いビデオ生成が実現可能であり、幅広いユーザーが手軽にアクセスできるコストパフォーマンスの良さがさらに強調されている。
トレーニングデータの倫理問題と知的財産権に課題
操作性の良さやコストパフォーマンスの良さ、動画の質に定評のあるRunwayの生成AIだが、一方で、AIモデルのトレーニングデータに関する倫理的問題も浮上している。 アメリカのテック系ニュースサイト「404 Media」は、自社で入手した社内スプレッドシートに基づいて、Runwayが人気YouTubeクリエイターの動画数千本、さらには海賊版映画を収集し、著作権で保護されたYouTubeのコンテンツを無断で使用したと非難した。 AIのトレーニングに著作権で保護された素材を使用することが、著作権侵害にあたるという主張を法的にどのように考えるかという点については、未だ論争が続いており、マイクロソフト社やOpenAIも、ノンフィクション作家やメディアから訴訟を起こされている。