小嶋陽菜 社長、ときどきマシュマロボディ 事業成功に久々写真集 好きなこと仕事にする秘訣
AKB48では「神7」の1人として活躍した小嶋陽菜(36)は現在、プロデュースするライフスタイルブランド「Her lip to」を運営する「heart relation」の代表取締役CCO(チーフ・クリエーティブ・オフィサー)を務めている。社長業と二足のわらじを履きながら、このほど発売した9年ぶり写真集「かもしれない」(宝島社)ではナイスバディーを披露。人々を楽しませ続ける、こじはるの生き方に迫った。【大友陽平】 【写真】笑顔でカメラ目線の小嶋陽菜 ★最初の夢はお姫様 国民的アイドルグループの中心メンバーとして活躍し、今や社員80人以上を抱える会社社長-。愛嬌(あいきょう)たっぷりのキャラクターも愛され、憧れられる存在として輝き続けるが、物心ついて最初に思い描いた夢は「確か、お姫さま!」だったという。 「お花屋さんとか、ケーキ屋さんとかの中から選ぶやつで、どれもエプロンを着てるのに、お姫さまだけドレスで、これになりたい! って(笑い)。『有吉AKB共和国』(10~16年、TBS)も、『姫の役あるけどやる?』って言われて、普通にお姫さまやりたい! って。全然お姫さま役という感じの番組ではなかったですけど(笑い)。大人になっても、そうなりたい、みたいなのはあったのかな…」 ファッション誌の「タレント私物紹介コーナー」に出たい、グラビアアイドルになりたいと芸能界に飛び込んだ少女は、大人数かつ、選抜総選挙、じゃんけん大会など奇想天外な企画で世の中をアッと驚かせてきたアイドルグループの中で、自然ともまれた。 「自分でポジションを作るとか、求められていることを常に考えることが癖になっていました。体力がついたのもそうですし、何かトラブルが起きても、A、B、C、D、E案くらいまで自分で出せる適応能力というか…。AKBって、いろいろ起こったことをプラスにしていたじゃないですか? 意思決定する時に『これ面白そう』と思える感覚も、これまでの積み重ねからで、全てが今に生かされてるなって思います」 ★ギャップを計算!? AKB時代はもちろん、その原点は少女時代にも…。 「小さい頃から、“ギャップ”については自然とおもしろがっていたかもしれないです。例えば小学生の頃、弟がいるのでプロレスとか特に男性が好きな趣味のことも知っていて。女の子っぽい見た目だったので、プロレスの話をすると喜んでもらえることが多かったんです(笑い)。こういうのが喜んでもらえるんだみたいなことは、気付いていたかもしれないです」 ★その場を面白がる その場、その時を面白がる。今回、9年ぶりに写真集を発売するのも、そんな精神からだ。 「何年か前からお話はあったんですけど、社長もちゃんとやっているんだと思ってもらえるタイミングがいいなって。『社長、ときどきマシュマロボディ』というコピーもすごくお気に入り。だって、こんなの見たことないじゃないですか!(笑い)」 スペインで行われた撮影ではボリュームたっぷりのドレスからビキニ、ランジェリーまで披露した。 「10年以上の付き合いで、アイドル時代も『アイドルがこれをやったら面白い』と絵を作ってくださるスタッフさんたちだったので、ほぼお任せで自由に『今の私を調理してください!』って撮っていただきました。大人なんだけどかわいらしさがあったり、いろいろ詰まってます!」 グループ卒業後の18年6月、自身がプロデュースするブランド「Her lip to」をオープンした。所属事務所の会議室を“間借り”するところから始まった。 「洋服を着て写真をSNSにアップするとか、世界観を見せるみたいなことは好きで、ファンの方とのコミュニケーションツールというか、洋服でつながって会話ができたらと思って始めました。だからブランドを大きくとか、自分が会社をつくるなんて思ってもいなかったです」 20年1月に「heart relation」を設立。年間の売上高約30億円(23年12月期)と、今なお成長を続けている。多忙な日々も、モチベーションは「仕事」と言い切る。 「自分の作りたいものが完成する時とか、それをリリースして喜んでもらったり、サプライズを届ける瞬間が楽しいんです。今は仲間もめちゃめちゃ増えて、その責任感もあります」 好きなことを仕事にする。趣味が仕事になる。それは誰もが望む一番の理想だろう。それを体現できる秘訣(ひけつ)は何なのか。 「自分が求められていることを、しっかり自分で分かること…なんですかね? 私も求められてなくて、反応もなかったらやらないと思うし…。これがウケたとか、喜んでくれたことに自分も寄せていったりとか、自分のエゴにならない、ちょうどいいバランスを取る、みたいなことは大切にしているかもしれません。例えばアイドル時代だったら、劇場でこの髪形がウケるとか、こういうメークがいいとか、そういうのを擦り合わせていって、求められていることをやる。喜んでもらえることが好きだから、自分も楽しいし…。その延長が、今の仕事にもつながっていると思います」 ★結婚「タイミング」 結婚願望などプライベートについても「ライフステージが変わってどんなことができるかな? みたいなのも自分の中で楽しみではあるので、タイミングがあればって感じです」と自然体だ。未来の小嶋陽菜は…。 「どうなってるんだろう…(笑い)。長期の目標とかを考えたことがなくて、これまでもその場その場で、面白いと思った方を選択してきたので…」 その姿を今は誰も想像できない「かもしれない」が、求められることを形にして、人々をとりこにしていることだけは間違いなさそうだ。 親交が深い永野(50) 日本テレビ「PON!」のレギュラーで毎週会ってたのですが、良い意味でオンオフの差がない、とても自然体な人。あの美貌なのに、芸能界芸能界していない奇跡の存在です。最近トークで番組に呼ばれるのですが、世間が「ラッセン」のイメージでしか見ていなかった頃から、むしろ自分のトークを喜んでくれる数少ない存在でした。たまに会うと絶対に自分が出会うことのないハイレベルな手土産をくれるので毎回感動してます。最高です。自分にとってこじはるは良い意味で芸能界に染まっていない、むしろ美しい実業家というカッコいいイメージですので、世の中の期待に応えようと無理せずにこのまま自分の好きなように進んでいってほしいです。 ◆小嶋陽菜(こじま・はるな) 1988年(昭63)4月19日、埼玉県生まれ。05年12月、AKB48の1期生としてデビューし、「神7」の1人として中心メンバーとして活躍。高橋みなみ、峯岸みなみと派生ユニット「ノースリーブス」も結成。17年4月にグループ卒業。アイドル時代から「MAQUIA」など女性誌のモデルなど多数経験。SNSの総フォロワー数は現在1000万人超え。最近の息抜きは「汁なし担々麺を食べること」。164センチ。血液型O。 ◆「かもしれない」 2015年3月に発売し17万部を突破するベストセラーとなった「どうする?」以来、小嶋にとって約9年ぶり、フォトブック含めて通算5冊目の写真集。スペイン・バルセロナなどで中村和孝氏が撮影。宝島社から発売中。