大泉洋、主演映画の完成に足掛け8年 42歳→50歳で「自分がこんなにも老いるのか」とビックリ
入江監督「僕の今まで作ってきた映画の中で一番最長の期間」
俳優の大泉洋が7日、都内で行われた主演映画『室町無頼』(1月10日IMAX先行上映、同17日全国公開)の外国特派員協会記者会見に入江悠監督とともに出席した。同作にまつわるトークを展開した。 【写真】「大スターすぎる」 歌唱する大泉洋との“2ショット”を披露した同郷俳優の姿 同作は、昨年直木賞を受賞した垣根涼介氏の同名小説が原作のアクションエンターテインメント。室町時代の応仁の乱前夜の京を舞台に、己の腕と才覚だけで世を泳ぎ、ひそかに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人、主人公・蓮田兵衛(はすだ・ひょうえ、大泉)と、彼のもとに集結した「アウトロー=無頼」たちの闘いを描く。 大泉は「この間、NHKの『ファミリーヒストリー』という番組に出まして、私の先祖が代々、仙台藩の武士だったことが分かりまして」と振り返り、「生まれながらにしてこの役をやる運命にあったんだなと思いました。本当に先祖も喜んでくれていると思います」と述べた。 入江監督は同作について「完成までに8年間かかってまして、僕の今まで作ってきた映画の中で一番最長の期間。色んな困難がありました」と回顧。原作小説に触れて「自分の手元に来たときはもう、『一生物の映画になるな』という風に直感しました」と当時の胸中を明かした。 すると大泉は「私と堤真一さんのスケジュールが合わなかった」と舞台裏を告白。「8年前ということは、私は42歳、43歳だったわけです。その頃、なんか8年後になるということを考えてなかったんですけど、8年経つと自分がこんなにも老いるのかと驚きまして」と目を丸くし、「今回も激しい立ち回りがありましたけど、もう満身創痍で肩は痛い、腰は痛い、でやりまして、8年前だったらもっと楽に撮影できただろうなと思うと、もっと早く撮影すればよかった」と語り、会場を笑わせた。 コミカルな役柄を演じることが多い大泉。同作の主人公を演じる上での役作りについて聞かれると「私がよく、コミカルな役をやることが多いとご存知だなと思いましたけど、ただ私もたまにはカッコいい役をやってみたいな、と思いまして。娘がいるんですけど、娘にカッコいい役をやってみたいなと思ってこの役をやることに決めた」とオファーを受けた理由に言及。しかし「松本若菜さん演じる美しい女性と一緒に布団にいるシーン」があり、「結局娘に見せることのできない映画になって大変残念」と冗談まじりで肩を落とす一幕も。 続けて「ここまでヒロイックな役をやったことなかったもんですから、どのように準備をしたかと言われましたら、私は常に心の中にですね、日本のスーパースターであります、TOSHIRO・MIFUNE(三船敏郎)を胸の中に秘めておりまして、立ち回りに行く前には必ず三船さんが『用心棒』(1961年)の中で言う名台詞『斬られりゃ痛えぞ~』というのを真似してから挑んだ(笑)。気持ちはですね、蓮田兵衛というよりも、三船敏郎でいた。TOSHIRO・MIFUNEを追い続けて演じて参りました」と大泉節。再び会場を笑わせた。 さらに、これで時代劇に出演するのは最後かと尋ねられると、大泉は「これから時代劇しかやらないかもしれない」と強烈なカウンターを浴びせ、会場を大笑いさせた。
ENCOUNT編集部