阪神・藤川球児監督、秋季キャンプへ高知入り 「没頭」の安芸だ 一心不乱に、周りが見えなくなるくらいに鍛え上げる
阪神・藤川球児新監督(44)が31日、空路で高知入り。1日から安芸市内で始まる秋季キャンプのテーマに「没頭」を掲げた。一心不乱に打ち込ませ、1軍戦力に鍛え上げる。集中できていないとみれば、鳴尾浜で残留組を受け持つ平田勝男2軍監督(65)のもとへの〝強制送還〟も辞さない構えだ。17日までの日程で休日はわずか2日。39人の大所帯で臨む、濃密な日々が幕を開ける。 「おかえりなさい!」の声が響く。六甲おろしをBGMに、藤川新監督が高知龍馬空港に降り立った。生まれ育った地で、就任1年目でのV奪回へ大きな一歩を刻む。17日間、みっちりと選手を鍛える秋にする。 「テーマは『没頭』。春のキャンプまで継続したいようなテーマ。自分も含めて没頭するというのをテーマにやろうと」 伊丹空港で出発前に報道陣に対応し、高い集中力が必要不可欠の濃密なキャンプになることを予告した。「一心不乱に。とくに若い選手が、周りが見えなくなるくらいの集中力を持って。限られた時間なので」。夕方、芸西村内のチーム宿舎で選手らを集めて行った行われたミーティングでも「没頭」していこうと改めて伝えたもようだ。ともに野球にのめり込み、来春へと突き進む。 虎将自身も、自身を成長させてくれたのは没頭していた時間だったという。「自分の体から湯気が出てきて投げているとかね。帽子のつばから汗が垂れながら、それでも投げているとか、ランニングしているとか」。全身全霊を傾けて挑んだ時間が自分の糧になる。実際の試合中などでふと、没頭した記憶がよみがえり、生きていると感じる瞬間があるのだという。 「あっ、来た来たって思ってもらうような。そのシーンになる選手が一人でもいると、その選手たちは強くなる」 そして、のめり込めているかどうかは、指揮官が姿勢を見ていればすぐに分かる。平田2軍監督の下、鳴尾浜で行われる残留組の練習への〝強制送還〟についても「プロである以上、それはあるかもしれない」と含みを持たせた。 「5勤1休」の日程が組まれ、休みも少ない。そこにも藤川新監督の「没頭」への狙いは含まれている。「一つのことに集中すると時間を忘れるというのが出てきて。どの選手にもそういうシーンが訪れたらいい」。休むことも忘れるほど鍛え、春につながる17日間にする。(新里公章)