筒香嘉智が「古巣愛」貫きDeNA復帰決断 先発確約なくても相思相愛 “監督手形”も
米大リーグのジャイアンツを自由契約になった筒香嘉智内野手(32)が古巣・DeNAへの入団に合意したことが15日、分かった。巨人など国内の複数球団が獲得に動いていたが、この日までに5年ぶりの復帰を決断した。DeNAは26年ぶりVへの切り札として迎え入れると同時に、“監督手形”も用意して熱意を伝えたもよう。日米通算223発の大砲の獲得は、近日中に正式に発表される。 【写真】また見られる?!筒香と三浦監督2ショット 筒香が再びDeNAのユニホームに袖を通す決断を下した。球界関係者の話を総合すると、この日までに獲得交渉を行っていた巨人など複数球団に断りを入れた。「総合的に考えて決めました」と伝えたという。本人はすでに帰国しており、近日中に入団が正式に発表され、会見も行う方向で調整している。 条件面で最終的な詰めを行っているとみられるが、契約期間は3年から4年、年俸は2億円前後が見込まれる。また、筒香が19年オフにポスティングシステムを利用してメジャー移籍した後は背番号「25」が空いており、再び背負うことに支障はない。萩原龍大チーム統括本部長は14日に取材に応じた際「編成面で大きなピースになると信じて待っていた面もある。それぐらい大事な選手だと、代理人を通じて本人にも伝えている」とその価値を語っていた。 条件面ではDeNAを上回る球団もあった。だが、筒香自身の古巣への愛着と、渡米を後押しし、常につながりを持ち続けていた古巣の熱意が合致したとみられる。また、DeNAは実力だけでなく、人間性や米国での苦労を重ねてきた経験値も高く評価。指導者としてのキャリアも積み、将来的には監督としてチームを率いてほしいという意向も、伝わっているもようだ。 5年前のように、絶対的な柱としての立場が確約されているわけではない。チームはオースティンが右太もも裏の肉離れで離脱。出場機会はもちろんあるとしても、一塁には佐野、左翼では関根や若手の梶原らが奮闘している。その立場をあえて受け入れたあたりに、32歳の覚悟がにじみ出る。 米国では試練にまみれてきた。20年にレイズへ入団し、ドジャース、パイレーツなどを渡り歩くも、メジャーでは2度の8本塁打が最高。腰痛などにも悩まされ、米独立リーグでプレーした時期も。本来の力を発揮できたとは言いがたかった。 今季はジャイアンツのキャンプにマイナー契約の招待選手として参加したが、腰の張りで出遅れ退団。紆余(うよ)曲折あったメジャーへの思いも残しながら、日本球界への復帰を決意した。 横浜高からドラ1で入団したDeNA(当時は横浜)では10年間で205発。16年には44本塁打、110打点で2冠にも輝いた。26年ぶりのV奪還へ、横浜に愛された男が帰港する。 ◆筒香 嘉智(つつごう・よしとも)1991年11月26日、和歌山県生まれ。32歳。小学2年時に野球を始め、中学3年時には世界大会に出場。横浜高では1年春から4番。2年春夏連続で甲子園出場し、夏の甲子園準々決勝では満塁弾を含む2打席連続本塁打を放った。高校通算69発。2009年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入団。15年に主将に就き、16年に本塁打、打点の2冠。17年WBC日本代表。19年オフにポスティングシステムを利用してメジャー移籍。185センチ、102キロ。右投左打。
報知新聞社