UACJ・JX金属…非鉄大手が加速、工場DXのあの手・この手
JX金属、外観検査に画像認識活用
JX金属の各拠点でも、自動化の事例が相次いでいる。磯原工場(茨城県北茨城市)では、半導体用スパッタリングターゲットの製造工程で自動化に着手。検査工程で特殊な照明とカメラを使った外観検査システムの導入が進む。特徴は、さまざまな金属の検査に対応したことだ。単色の材料の自動検査機は普及しているが、金属は種類ごとに色が異なるため高い精度での傷の検出が難しかった。カメラ技術や解析技術が飛躍的に進歩したことで、実現可能な段階に到達したという。 同システムの導入により、出荷前に製品の外観を自動判定するだけでなく、顧客から問い合わせがあった際に画像を証拠として提案できるようになり、トレーサビリティー(履歴管理)の確保にもつながった。半導体用スパッタリングターゲットなど半導体材料の生産増強のため、建設中のひたちなか新工場(茨城県ひたちなか市)でも導入予定だ。 一方、スマートフォンのフレキシブル基板(FPC)向け圧延銅箔などを製造する同社倉見工場(神奈川県寒川町)の村岡慶一工場長は「工場長として課せられている課題は、当工場でのモノづくりを効率化すること」と認識。関連のプロジェクトを作って取り組みを進めている。 その一例が、デジタル化が進んでいない設備のデータ取得を可能にするための基盤整備だ。並行して、従来の改善活動にデジタル化を組み合わせた改善の質と速度の向上にも注力。インフラ整備とデジタル化施策の相乗効果を狙っていく。