“不屈の小兵”アイザイア・トーマスのNBA復帰までの道のり「欲しいのはチャンスだけ」
不屈の男、アイザイア・トーマスが待望のNBA復帰を果たした。Gリーグで30得点試合を連続で叩き出したトーマスは、その活躍が目に留まり、フェニックス・サンズと10日間契約を締結。プレーオフ進出を確実にするべく、ここから1試合も落とせないゲームが続く中、フランク・ヴォーゲルヘッドコーチはチームに勢いをもたらすべく、ベテランスコアラーを招き入れた。 すでに年齢は35歳。厳しいリーグにおいて、定着していないベテランに用意される席はあまりにも少ない。それでも175センチの小兵は自分を信じることをやめなかった。 トーマスは『The Seattle Times』に対して、自身の胸中に宿る強いハートについて、こう語っている。 「多くの人が諦めるべきだと思っていた。でも、僕は前向きでいた。自分が何をもたらせるかを理解している。誰よりも自分自身を信じているんだ。2011年6月23日にドラフトされた時、僕が言ったのは『チャンスが欲しいだけ。本物の機会を得られれば、あとは自分でやる』だったよね。僕はNBAに戻ってきた。NBAのジャージを手に入れて、できるだけ長く続けるために全力を尽くすよ」 タコマ出身のポイントガードの道のりは、いつだって茨の道だった。それでも、トーマスはサイズがものを言う世界において、どんな高い壁でも超えてきた。ワシントン大学ではPac10(現:パシフィック12・カンファレンス)の新人王やファーストチームに選出され、2015年にはボストン・セルティックスに加入すると、在籍2年目にMVP候補の5名まで残る活躍を披露している。 トーマスがサンズに在籍するのは、今回が初めてのことではない。サクラメント・キングスでNBAキャリアをスタートした同選手は、2014年の夏にサンズへ加入。在籍期間こそ約半年に過ぎなかったが、この間には46試合に出場し、1試合平均15.2得点、2.4リバウンド、3.7アシストを記録。 また、冬のマーケットで移籍したセルティックスではさらに調子を上げてシックスマン賞の最有力候補に挙げられた。最終的にはルー・ウィリアムズに軍配が上がり、このとき「投票は操作できない」としてウィリアムズの受賞を讃えたものの、トーマスは平均得点でウィリアムズを上回っており、彼が言った「数字は嘘をつかない」のコメントは今でも多くの人の記憶に残っているのではないだろうか。