<機動戦士ガンダムSEED FREEDOM>劇場版発表から18年 福田己津央監督が込めた思い 「全力を尽くした」
「SEED DESTINY」のキラは達観しているようにも見えた。「SEED FREEDOM」では「SEED DESTINY」とはまた違ったキラを見ることができる。人気キャラクターのアスラン・ザラの活躍に期待するファンも多い。
「キラは達観したというよりも、疲れちゃっていたので、戻したかったところがありました。普通のノンポリの学生ですからね。アスランは『お前が間違っている』と言われてしまう。アスランは大変でしたよ。ボロボロになっていましたしね。最後くらいは『正しかった』と言われてもいいんじゃないかと」
◇シンを可愛く戻す 一番変わったのはラクス
「SEED FREEDOM」では、シン・アスカの活躍が描かれることが、公開前から明言されていた。
「シンは最初、もうちょっと可愛いキャラクターにしようとしていました。キレた時にギャップがある。シンの一番いい部分は、怒った時にしか出ない。今回はそういうふうにしています。可愛い子なんですよ。それがあるから踏み外しても、また戻れる。この子は復讐(ふくしゅう)なんてしていないんです。力がないことにいらだっているだけ。キラと初めて会った時に、殴りかかったりしていないですから」
シンは、キラたちと敵対していたが、戦後に和解する。キラたちと共に戦いのない世界を目指そうとする。
「キャラクターは、落ちるところとアガるところという両面を持っていないとダメ。その辺がうまかったのは、保志(総一朗)君のキラなんですよ。アスランはアスランなんですよね。格好いいけど、どこか抜けているところもある。シンは、普段は可愛い弟気質だけど、キレると強いタイプを目指していたけど、弟気質の部分が抜けて、激しいキャラクターになってしまった。今回はそれを戻そうとしています」
ラクスは、世界平和監視機構・コンパスの初代総裁として登場する。福田監督は「ラクスが一番変わったと思います」と話す。