喜多方ラーメンの大手が豚骨の聖地・福岡に進出 3月3日開業/福岡市中央区
日本三大ラーメンの一つに数えられる「喜多方(きたかた)ラーメン」の大手チェーン「喜多方ラーメン坂内(ばんない)」の九州1号店となる「天神大名店」が3月3日、福岡市中央区にオープンします。開業に先立ち1、2日にはプレ営業を行い、値引きやクーポン配布も。豚骨ラーメンの店がひしめく”激戦区”で、博多っ子に自慢の味を提供します。 【写真】店の様子とメニュー表
「喜多方ラーメン」とは
喜多方ラーメンは、福島県喜多方市で育まれたグルメで、コシが強く縮れた平打ち麺「熟成多加水麺」が特徴。同市によると、スープはしょうゆ味がベースですが、近年は多彩な進化を遂げている、とのことです。豚骨で知られる「博多」、みそ味の「札幌」と並び、「日本三大ラーメン」と称されます。 人口約4万人の喜多方市にはラーメンを提供する店が約90あり、人口あたりの店の数が国内トップクラスといわれます。観光資源としても重要な存在で、2023年には市の申請を受け、日本記念日協会が7月17日を「喜多方ラーメンの日」として登録しました。「喜」の草書体が「七十七」に見えることにちなんで決められたそうです。
名店をルーツに各地へ
喜多方ラーメン坂内は、外食チェーン「麺食」(東京)が展開。喜多方市内の有名店「坂内食堂」の味にほれ込んだ麺食の創業者が、同店で修業を積み、のれん分けのような形で、前身となる店を東京都内で1984年にオープン。88年に長野県内に出した「喜多方ラーメン坂内」の1号店を手始めに、関東を中心に各地へ出店しています。 店舗数(2月末時点)は、国内13都府県に64店(フランチャイズを含む)、海外ではアメリカで7店が営業しています。これまで国内で最も西に位置する店舗は、四国の六泉寺店(高知市)でした。 同社によると、今回の出店は、天神大名店をフランチャイズで運営する企業の社員で、福岡県筑後市出身の森中輝行さん(41)による、熱烈な提案で実現しました。「関東で初めて知った喜多方ラーメンのおいしさを、九州の人たちにも知ってほしい」との訴えが実り、森中さんが店長として切り盛りするそうです。 新店舗は、福岡市の中央区役所の目の前。繁華街・天神エリアにほど近い一帯は、居住者や来街者でにぎわい、ラーメンを出す店が軒を連ねているため”喜多方の味”をアピールする適地とみて、出店場所に選んだとのことです。 麺食の担当者は「福岡のラーメンも近年、多様化しているようだ。関西以西ではあまり知られていない喜多方ラーメンを、これを機にもっと伝えていきたい」と意気込んでいます。