公共図書館数2118から30年間で3310に増 サービス向上、試行錯誤の知の殿堂
新たに作られる図書館が増えているのは好ましい状況だと思う。図書館の存在意義である社会教育や生涯学習の機会が広がり、人が集まることを意味しているからだ。
一方でお化け屋敷やヨガ教室など、元々図書館が持つ機能を生かした形で活用されてないケースも散見される。「楽しかったらそれでいい」という結論を得たいなら図書館である必然性がない。
日本の図書館は補助金行政の側面が強い。米国のように市民が情報を得ることで政府に抗する手段を得るという原点があるわけではない。
その際に重要になるのは利用者の声を建設予定の段階から取り入れることだ。現状では建設を行政のトップが決め、議論に参与するのは学識経験者や学校長などに限られている。
学習や調査の手助けをするレファレンスサービスの充実や、地域ならではのサービスを行う図書館も増えてきている。そうした地道な取り組みが周知されるには手間も時間もかかる。だが、「知の殿堂」である図書館という文化が日本に根付く上で最善の道なのではないだろうか。