【NBA】新アリーナ建設計画が進まないセブンティシクサーズに、お隣のニュージャージー州が誘致を表明
デラウェア川を挟んだ隣町カムデンに新アリーナを建設?
セブンティシクサーズの本拠地であるウェルズ・ファーゴ・センターは1996年の完成で、老朽化が進んでいる。シクサーズは賃借契約が切れる2031年までに新たなホームアリーナへの移転を希望しているが、数年前に立ち上げた『76 Place』と呼ばれるフィラデルフィア中心部の新アリーナ建設計画は、交通渋滞を懸念する声や地域住民の反対運動により、具体的な段階へと進めないまま時間ばかりが経過している。 現地9月2日、その新アリーナ建設計画に新たな動きがあった。ニュージャージー州が最大4億ドルの税控除を提示してシクサーズの誘致計画を発表したのだ。場所はカムデン。フィラデルフィアからニュージャージーへと州は変わるが、デラウェア川を挟んだ隣町であり、建設候補地とされる地区はウェルズ・ファーゴ・センターから10キロも離れていない。 『76 Place』で想定されるアリーナ建設費用は地価の安いカムデンになれば下がるはずだし、建設費用の一部をカバーする税控除も大きい。そして何より、反対運動に対して具体的なアクションを起こさないフィラデルフィアとは違い、ニュージャージー州の経済開発局はシクサーズの誘致と新アリーナ建設を中心にウォーターフロント地区の大規模な開発に着手しようとしている。 フィラデルフィアがアメリカで6番目に多い160万人の人口を抱える大都市なのに対し、川を隔てたカムデンはお世辞にも美しい街とは言えず、『アメリカで最も治安の悪い街』という悪評さえある。その立て直しにシクサーズを誘致するのは決して悪いアイデアではない。 新アリーナ建設計画が事実上ストップしていたシクサーズにとって、ニュージャージー州の提案は朗報そのものだ。彼らの計画を精査しつつ、フィラデルフィア当局に新アリーナ建設計画を後押しするようプレッシャーを掛けることができる。 ペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロは、「我々が税制優遇を提示したことはないが、そもそも求められてもいない。シクサーズの希望はフィラデルフィアに残ることだろう」と語り、「私はシクサーズを愛している。そのシクサーズはフィラデルフィアに属している」と続けている。 今夏、シクサーズはロスターを大幅に入れ替え、フリーエージェント市場の目玉だったポール・ジョージを獲得して大いに注目を浴びている。新アリーナ建設計画でも、ニュージャージー州の新たな提案を受けて大きな動きがありそうだ。