ゼレンスキー大統領、NATO加盟なら領土回復ない休戦交渉も示唆
ウクライナのゼレンスキー大統領が、北大西洋条約機構(NATO)加盟が承認される場合はロシアが占領した領土をすぐに回復しなくても休戦交渉が可能だという立場を表したと、英スカイニュースが29日(現地時間)報じた。 ゼレンスキー大統領はこの日、スカイニュースのインタビューで、ウクライナがNATOに加盟してロシアが現在まで占領した領土を保有する協議案に関する米国内の報道に可能性はあるのかと尋ねられると、このような趣旨で答えた。 ゼレンスキー大統領は「戦争の過熱局面を中断させるのなら、我々が統制しているウクライナの領土をNATOの保護下に置くべき」とし「早くそのようにしなければいけない。(ロシアが統制している)ウクライナ占領地はその後、外交的な方法で回復することができるだろう」と述べた。 こうした発言に対し、スカイニュースは「ロシアがウクライナ領土の一部を占領した状況でゼレンスキー大統領が休戦交渉をする可能性を示唆したのは開戦以降初めて」と解釈した。 ウクライナはトランプ次期大統領の就任を控え、NATO加盟を急ぐ雰囲気だ。ウクライナのシビハ外相はこの日、NATO加盟国に対し、来月3、4日に開催されるNATO外相会議でウクライナのNATO加盟の最初の手続きとなる「加盟招請」を支持する決定を求める公開書簡を送った。 NATO加盟国はウクライナの加盟国加入に原則的には前向きな立場だが、加盟招請など積極的な動きは見せていない。戦争中のロシアとNATOの葛藤に発展するという懸念があるという解釈だ。 こうした状況にもかかわらず、ウクライナがNATO加盟に積極的である理由は、現在の兵力と武器では戦勢を変えるのが難しいという状況判断があるという分析だ。その間、バイデン政権のウクライナ支援を批判してきたトランプ前大統領の再選も影響を及ぼしたとみられる。 一方、ウクライナは現在ロシアに自国領土の20%を占領された状態だ。ウクライナ軍は8月にロシア西部クルスク地域に進入して交戦中だが、占領地域の40%をまたロシア側に奪還されるなど反撃を受けている。