【注目チーム】古豪の完全復活は間近か…実力者ノリス&有望株ピアストリのセットで王座争い返り咲きへ|マクラーレン|F1
2021年は総合4位、2022年は総合5位、2023年4位と中団勢では上位ながら、なかなかチャンピオン争いに加わることができていないマクラーレン。2024年こそ名門復活となるのか。
歴史
マクラーレンF1チームは、1966年に創設者ブルース・マクラーレンのチームとしてF1に参戦し、現在に至るまで半世紀以上もの間、プライベーターチームとしてF1の世界で戦い続けている。 そんな彼らの黄金期は1980年代に訪れた。1984年には全16戦のうち12勝を挙げ、1974年の初タイトル以来、2度目のコンストラクターズタイトルを獲得。1988年には、アイルトン・セナとアラン・プロストを擁し、ホンダのエンジンを搭載して16戦15勝という驚異的な成績を残すなど、日本でのF1ブームの火付け役にもなった。 マクラーレンは1984年から91年までの8シーズンで、4連覇を含む6度のコンストラクターズタイトルと7度のドライバーズタイトルを手に入れた。 また、1990年代後半には、フィンランド人のミカ・ハッキネン(マクラーレン)とドイツ人のミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が熾烈なチャンピオン争いを繰り広げるなど、マクラーレンはF1界を代表する有力チームのひとつとして、常に存在感を発揮していた。2008年にはデビュー2年目のルイス・ハミルトンがマクラーレン・メルセデスを駆り、ワールドチャンピオンに輝いている。
かつての名門が低迷期に
だが2013年、このシーズンは2006年以来となる未勝利で終えると、成績は徐々に低迷。2015年からは1992年以来となるホンダのパワーユニットと再びタッグを組むも結果は出ず、苦しい戦いを続けていた。2018年からはエンジンをルノーに変え、翌2019年からはドライバーやチーム体制を一新。その効果もあり、年間未勝利ながらも2013年以降では最高位となるコンストラクターズ4位でシーズンを終えた。
2020年は復活の兆しを見せる
2019年から引き続き、カルロス・サインツとランド・ノリスという若いコンビでのシーズンとなった2020年は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い開幕が7月へと後ろ倒しとなる事態に。 その間の2020年5月、フェラーリはセバスチャン・ベッテルが今季限りで離脱することを公表し、その穴埋め役として2021シーズンからマクラーレンのカルロス・サインツがフェラーリへ移籍すると発表された。そしてマクラーレンのシートには、ルノーのダニエル・リカルドが収まることに。2020年はシーズン開幕前にして、早くも2021年の玉突き移籍が確定するという状況となった。 迎えた2020シーズンは開幕のオーストリアGPでいきなりランド・ノリスが3位表彰台に上がり、上々の滑り出しを見せる。第8戦イタリアGPではピエール・ガスリーにF1初優勝を許したものの、カルロス・サインツがあわやキャリア初優勝という猛追を見せ、2位でのフィニッシュを果たした。 レーシング・ポイント、ルノーとのコンストラクターズ3位争いは三つ巴の様相となり、終盤にはレーシング・ポイントとのマッチレースがし烈を極めた。互いに3番手ポジションを奪い合う好勝負となり、結局最終戦のアブダビGPでダブル入賞を果たしたこともあり、マクラーレンはコンストラクターズ3位で2020シーズンを終えた。このポジションは2012年以来8季ぶりのこと。 そして完全復活を期す名門マクラーレンは、2021シーズンよりパワーユニットをメルセデスに変更することとなった。メルセデス、アストンマーティンと同一ながら、現代のF1界で大きなアドバンテージを証明しているメルセデスエンジンでさらなる復権を狙うことに。