北陸新幹線開業、第三セクターになった並行在来線はどうする?
対応分かれるICカードの導入
ICカードの導入については、各社対応が分かれた。「とやま鉄道」はJR西日本のICカード「ICOCA」を導入する。「並行在来線の県内利用者の利便性の向上に加え、首都圏や関西圏等からの県外客の利便性を考慮する」という理由だ。 「とやま鉄道」と同じ旧JR西日本地域でも、「IRいしかわ鉄道」は、開業時のICカード導入を見送った。JR七尾線や金沢駅より西の北陸本線をまたいで利用する乗客が多く、JR各駅がICカードに未対応だからだ。同社は「お客様に混乱を招かないために、JR西日本等と歩調を合わせる必要があると考えている」としており、「石川県の交通政策としても、交通ICカードの導入は中長期的な課題」としている。 新たに開業する各社は、安全性を確保した上で、地域密着型の運営をしていこうとしている。クルマ社会の進む地方で経営を安定させ、利便性の高い地域の足としての鉄道を走らせ続けられるかが今後の課題だ。 (ライター・小林拓矢)