北陸新幹線開業、第三セクターになった並行在来線はどうする?
北陸新幹線の長野~金沢間が3月14日に開業する。それに合わせ並行在来線の信越本線と北陸本線が「しなの鉄道北しなの線」「えちごトキめき鉄道」「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」の4社に別れて第三セクターとなる。厳しい経営が予想されるが、新しく第三セクターになった各社はどう取り組んでいくのか。
見込まれる厳しい経営
並行在来線というのは、新幹線に並行して運行されている在来線のこと。新幹線が開業すると、在来線は利用者数の低下が見込まれることから、JRの経営から分離することになっている。利用者数が減るとはいえ、地域住民の足を確保する意味で、廃線にはせず、第三セクターとして存続するケースが多い。並行在来線の経営分離は、運賃の大幅な上昇を招くと指摘されているが、北陸新幹線の第三セクター4社も例外ではない。各社とも現行のJR運賃に比較して高い運賃となっている。 信越本線の長野~妙高高原間を「北しなの線」として引き受ける長野県の「しなの鉄道」は、利用者の減少や、豪雪対策などのため、厳しい経営を予測する。倶利伽羅~市振を経営する富山県の「あいの風とやま鉄道」は、「利便性の確保を基本に、運行ダイヤ、車両運用等を見直し、利用者の増、収支の改善に努めたい」としており、経営について楽観視はしていない。
地域のために「マイレール意識」も
それでも利便性を向上し、地域のために列車を走らせることが第三セクター鉄道に期待される役割であり、各社とも、新幹線との接続、朝晩の通勤・通学時間帯の増発を基本として利用者増加のためのプランを練る。 市振~妙高高原を運行する新潟県の「えちごトキめき鉄道」は、「地域に愛され 地域とともに 地域のみらいを創る」基盤づくりを経営方針とする。地元密着のダイヤに見直した「とやま鉄道」は、今後の課題として「快速列車の運行の要否も検討」するとしている。 金沢~倶利伽羅が移管される石川県の「IRいしかわ鉄道」は、昨年4月に「IRいしかわ鉄道利活用促進アクションプラン」を策定。利便性の高い企画切符の販売や駅でのイベント、サポーター制度の導入を行うという。また同社は「地域住民の方々には、自らの鉄道であるという『マイレール意識』をもっていただくことが大切」だと話す。