子どもが「音大」に行きたいと言っています。学費が高いイメージがあるのですが、国公立なら安いのでしょうか?
音大をはじめ芸術系の大学や学部に対して、学費が高いというイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。実際、私立大学の場合は学費が高めに設定される傾向があります。 本記事では、音大の学費について、私立・国公立それぞれの学費の相場や、かかる費用から志望校を決めるときの考え方、費用の負担が難しいときの対処法などを分かりやすくまとめました。
私立の音楽大学の学費の目安
私立の音楽大学は、各学校が独自に設定しています。そのため金額にばらつきがありますが、150~250万円程度が1年間の学費の相場です。4年間トータルでは、600~1000万円程度の教育費を見込んでおく必要があるでしょう。費用の内容は、入学金、授業料、施設・設備費、後援会費などです。 一般の文系大学と比べると学費が高額な傾向がありますが、少人数での授業・レッスンが主であること、練習室や防音室、貸し出し用の楽器などに多額の設備投資が必要となることなどが大きな理由です。 なお、学費のほかに楽器のメンテナンスにかかる費用や楽譜などの消耗品費、伴奏講師に支払う謝礼などの実費も都度発生します。
音楽を学べる国公立の芸術大学は授業料が安く設備費などの費用もかからない
日本には「音楽大学」を標榜する国公立の大学はありません。国公立の音楽大学に相当するのは、国公立の芸術大学の音楽学部です。音楽学部のある国公立大学は少なく、国立大学は東京芸術大学の1校のみです。 国公立大学の音楽学部では、国立大学の授業料の標準額53万5800円に準拠して授業料が設定されていることが多く、施設・設備費などの高額な納入金を支払う必要がありません。そのため、私立の音大と比較すると半分ほどの年間100万円前後の負担で同じように音楽を学べます。 ただし、私立音大と同じように、消耗品費や外部講師への謝礼などの実費はその都度発生することを覚えておきましょう
1人暮らしの費用なども含めたトータルコストを考えよう
音楽学部のある国公立大学は数が少ないため、地元から離れずに通える地域は一握りです。国公立大学で音楽を学ぼうと考えた場合、地元を離れて1人暮らしをしながら大学に通うことになるケースが多いでしょう。 1人暮らしをするとなると、引っ越し費用や賃貸の家賃、光熱費、食費などが別でかかります。学費の安さだけで国公立大学を選択すると、フタを開けてみれば地元の私立音大に通うのとトータル費用は変わらなかった、というケースもない話ではありません。 進学費用を重視して音大の志望校を選ぶ場合は、1人暮らしをした場合のコストなども総合して、必要な金額を試算してみる必要があります。