「Barbour(バブアー)」BEDALE(ビデイル)に代表される、ワックスドコットンの不朽の名作たち
“ワックスドコットン”を使い、数々の名品と呼ばれるジャケットを生み出してきた「Barbour(バブアー)」。歴史と伝統ある英国ブランドだ。今回はBarbourの中でもゆるぎなき定番といわれるアイテムとワックスジャケットのお手入れ方法などを、株式会社 バブアー パートナーズ ジャパン PR・マーケティング部チーフプレス 岡林英枝さんと、PR マーケティング部 梅原健さんにお話を伺った。
寒く、雨も多い土地ゆえに採用されたワックスドコットン
最初にブランドの歴史について知っていこう。Barbourの代名詞であるワックスジャケットには土地柄が大きく関係しているようだ。そのあたりも含めて岡林さんにお話しいただいた。 「Barbourは1894年に英国北東部の港町サウスシールズで創業しました。創業者は『ジョン・バブアー』という人物で、代々バブアー一族によって受け継がれ、現在は、4代目の『デイム・マーガレット・バブアー』が1973年より現在に至るまで会長を務めています。 Barbourが最初に作ったアイテムはワックスドコットン製のケープ型のアウターで、馬に乗る際の雨風よけとして使われていました」
「何故、ワックスドコットンを採用したかというと、サウスシールズはイングランド北東部にある港町で漁師や港湾労働者が多く、寒く、雨も多い厳しい環境下で働く人たちのためにコットンにワックスを染み込ませて撥水性や防風性、耐久性を高めたアウターを提供したのが始まりでした。 ブランドとしてのルーツはワークウエアとしての役割が大きかったようです。さらに第2次世界大戦時にはBarbourのジャケットが撥水性や耐候性に優れていることから、英国潜水艦部隊の標準装備となったエピソードも残っています」
Barbourの全てのジャケットにはヒストリーがある
Barbourには“エバーグリーンアイコン”と呼ばれる不朽の名作が5型あるという。その中からピックアップしてご紹介いただこう。 「日本でいま、定番と呼ばれるアイテムの多くは現会長のマーガレット氏の時代にできたもので、一番の定番は1980年に誕生した『BEDALE(ビデイル)』というモデルで、これは乗馬用のジャケットとして生まれたという背景があります。 カントリーウエアとしての定着を目指して丈を短く詰めたのが特徴的なアイテムです。このBEDALEの開発に関しては馬に乗るジョッキーのアドバイスを多く受けており、裾がサイドベンツ仕様になっています。 これは馬に乗った際に裾が突っ張ることなくライディングスタイルがきれいに見えるように採用されたデザインになっています。また、馬の手綱を持ったときに雨風の侵入を防ぐ内リブがついた袖の仕様になっています。 このBEDALEですが、リリースされたときは、いまとは少しディテールが違い、フラップがついたポケットが両胸についており通称“4つポケ”と呼ばれ、ヴィンテージファンの中では人気の高いモデル。現行モデルは裏地にモールスキン素材を用いたハンドウォーマーポケットが採用されています」