「みんないい感じにぶっ飛んでました」戸郷発起人の侍投手会で大勢が乾杯音頭 鈴木翔が男気20万円ゴチ
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(9~24日)に出場する侍ジャパンが6日、宮崎の清武総合運動公園で行っていた事前合宿を打ち上げた。5日には戸郷翔征投手(24)が“発起人”となり、投手会が実現。大勢投手(25)が乾杯の音頭を取り、世界一へ団結力を高めた。 連覇に向けた準備期間と位置づけられた宮崎合宿は、実り多き時間となった。戸郷は「初めて会う選手も多かった。(シーズン中は)パ・リーグの選手とは関わる機会がないので、そういう選手たちと野球のことも、それ以外のことも(話せて)すごくためになりました。すごく充実した1週間でした」と、濃密な8泊9日を総括した。 5日夜には宮崎市内にあるG戦士御用達の焼き肉店で投手会が行われた。同日の朝に戸郷が「(食事会を)やった方がいいですかね? やりたいですね!」と大勢に相談。先輩は「いいんじゃない!」と背中を押し、ウォーミングアップ中に投手陣の間で話がまとまり、開催の運びとなった。 本番は大勢の音頭からスタートした。「優勝目指して頑張ろう! カンパ~イ!」。侍守護神がキレのある発声で、大役を果たした。 約20万円の会計を支払い、男気を見せた投手最年長28歳の鈴木翔は「みんないい感じにぶっ飛んでました。みんな終始笑顔でよかったです」と喜んだ。“発起人”の戸郷も「お酒も入りながら楽しい話もできましたし、野球の濃い話も出たので、すごくいい会になりました」と、約3時間の宴(うたげ)を振り返った。 昨年のWBC宮崎強化合宿では、最年長のダルビッシュ(パドレス)が、初の日本代表招集で慣れない環境に戸惑っていた宇田川(オリックス)を“主賓”とした「宇田川会」を開催。チームが一つにまとまり、世界一へ駆け上がるきっかけとなった。今大会で優勝すれば、投手会も大きな“ターニングポイント”になるかもしれない。 戸郷は9、10日のチェコとの強化試合(バンテリンD)に向け、最終日はキャッチボールと100メートル超の遠投などで調整し「だいぶ順調。試合が楽しみになってきた」と頬を緩めた。G投コンビの活躍で絆を深めた侍たちは、世界との決戦が始まる名古屋へと飛び立った。(長井 毅) ◆23年WBCの「宇田川会」 2月、宮崎での直前合宿の休日にダルビッシュが音頭を取り、投手全員での食事会を開いた。初選出の宇田川が緊張から周囲に気を使い、報道陣にも「なじめていない」とこぼしていたことを知って企画。これを機に、実は面白い性格の宇田川がナインの人気者になった。ダルビッシュは「宇田川さんを囲む会」と写真をSNSに投稿。減量に苦しむ様子も踏まえ「一人で背負うには大きすぎる。それはすごく嫌だった」と明かした。米国での準決勝前日にも決起集会を呼びかけ、結束を高めた。
報知新聞社