チーム対抗・電動バイクレース FIM E-EXPLORER WORLD CUP 万博記念公園大会レポート!
勝負の行方を決めた、女性ライダー達の闘い!
女子レースはHRCのノチェラ選手とインデレーシングのゴメス選手の白熱のバトルが続く展開に。午前中の3本のフリー走行は全てノチェラ選手がトップタイムをマーク。しかし予選はゴメス選手が僅差で制する形に。決勝レースも白熱し、ヒート1はゴメス選手が優勝。しかしヒート2に続きヒート3をノチェラ選手が優勝し、HRCがロビーマディソンレーシングを制して総合優勝を果たしたのだった。HRCの獲得ポイントは132、対するロビーマディソンレーシングは131という僅差。ヒート1はシャレイナ選手が3位、ノチェラ選手が4位と出遅れたHRCはチーム総合3位という、やや苦しい滑り出し。先の全日本モトクロスで優勝を逃し2ヒートをDNFという悔しい結果だけに不穏な空気が会場に流れ、大人数で挑んだHRCスタッフの表情もこわばっていたのが印象的。しかしヒート2、3でロビーマディソンレーシングの女性ライダー、ビアジニ・ガーモンド選手が4位に終わったのに対して、ノチェラ選手が2連勝したのが大きかった。ヒート1、2のチーム総合結果ではロビーマディソンレーシング(88)、HRC(85)だったが、ヒート3の結果、前述のように1ポイント差でHRCが逆転優勝を果たしたのだった。HRCスタッフやライダーの喜びと安堵の表情が印象的だった。
地元大阪のワイルドカードチームも奮闘
地元大阪のエンデューロライダー保坂修一選手と菅原悠花選手も健闘し、全6ヒートを完走。マシンのパワー面ではHRCやSTARKなどとは正直なところ雲泥の差があり、その意味ではSurronも含めてトップ争いをするマシンとは勝負にならない面もあるが、両選手は最後までマシンをいたわる走りを心がけて完走してみせたのだった。特に菅原選手はヒート1でスタートが決まり、全8台中5位でフィニッシュして、日本の観客に実力をアピールしてみせた。保坂選手は従来のオフロードレースとの違いを楽しみ、「まずは電動バイクの認知度の向上が必要ですが、今後も積極的に参加したいです」と話してくれた。 保坂修一選手は、「すべてが初めての経験でとても楽しかったですし、学ぶことも多かったです。根本的にエンジン搭載車とは挙動もパワーの出方、路面の荒れ方などが異なっていました。ヤマハTY-Eはアイドリング機能があるので別格だと思うのですが、基本的にモーターなのでジャイロ効果がなく、想像以上に車体を寝かせにくいんです。アクセルオンオフのメリハリも強くて、ジャンプ着地点に轍ができたり、轍そのもののでき方もまるで違います。モトクロッサーで例えるとHRCやSTARKは450ccで、カオフェンは85ccくらいのパワー差なので勝負は厳しいですが、それでも初めてでもすんなりと乗れましたし、性能の良さを体感することができました」とコメントしてくれた。 菅原悠花選手はヒート1で5位と健闘。ヒート2、3はマシン破損のため全力で攻めることができなかったが、完走を果たした。「日頃250ccに乗っているのでパワーはさほど感じませんが、車体が軽くて動かしやすいですね。スピードを落とさずに走るためには轍やギャップを避けないと飛べないジャンプがあったり、パワーの出方なども、いつもとはちょっと違いました。また機会があれば参加してみたいです」