韓国の新たなトレンド「ハルメニアル」 現代風にアレンジした“伝統菓子”が若者の間で大人気に!
日本でたびたびブームを巻き起こす韓国スイーツ。今、韓国では「ハルメニアル」という言葉がキーワードとなっている。いわゆる、おばあちゃん世代のレトロなものをアレンジしたお菓子などが、韓国の若者を魅了している。
■「ハルメニアル」とは?
韓国で「ハルメニアル」というトレンドが登場したのは、2021年ごろ。今も、若者や企業の間で注目されている。 「ハルメニアル」とは、おばあちゃんを意味する韓国語「ハルメ」と、1980年ごろから1990年代半ばに生まれた世代の「ミレニアル」を組み合わせた造語。おばあちゃんが好むような、昔ながらの食べ物や服装を現代風にアレンジしたものが若者の間でもブームになっていて、その現象を指す。特にスイーツ業界に大きな影響を与えていて、黒豆や小豆、きなこなどを使ったスイーツが続々と登場している。
■「ハルメニアル」の代表的なスイーツ 薬菓(ヤックァ)
23年12月、ソウル中心部の汝矣島(ヨイド)の人気デパート「ザ・現代ソウル」。あるポップアップストアに多くの人が訪れていた。「薬菓(ヤックァ)」と呼ばれる韓国伝統菓子の専門店だ。 この薬菓が、韓国の「ハルメニアル」の代表格となっている。薬菓とは、小麦粉に蜂蜜などを練り込んで、油で揚げたもの。韓国の旧正月や旧盆に、先祖への供え物として並べられる伝統的なお菓子だ。 ポップアップストアを出したのは、23年に創業したばかりの「GOLDEN PIECE」というお店。伝統的な薬菓に、バニラ味やミントチョコ味などさまざまなアレンジを加えると、流行に敏感な若者の間で瞬く間に大人気となった。ポップアップストアで薬菓は、すぐに売り切れになるほど。映像や写真で映える薬菓をアイスクリームにのせたスイーツも、次から次に売れていた。 ポップアップストアを訪れた20代の女性は 「薬菓は周りの人たちがおいしいと言うし、SNSで見て、実際に食べてみるとおいしくてハマった」と話す。別の20代の女性は「西洋的なデザートが多すぎて飽きてしまって、韓国的なものを再び食べるようになった」と教えてくれた。