センバツ高校野球 宇治山田商、夢つかむ 選手ら歓喜「やった!」 /三重
春の吉報が、一足早く届いた。第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の出場校を決める選考委員会が26日あり、宇治山田商(伊勢市)の出場が決まった。2008年以来、16年ぶり2回目のセンバツ出場。県勢としては19年の津田学園以来、5年ぶりの選出となった。昨秋の東海大会で4強入りし、つかんだ夢舞台への切符に選手たちは歓喜した。3月8日に組み合わせ抽選会があり、大会は同18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【寺原多恵子、小沢由紀】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 「祈るしかない」とインターネット中継で選考委員会を見守っていた江崎徹校長と村田治樹監督、森山拓磨部長。午後3時50分ごろ、宇治山田商の名前が呼ばれた瞬間、立ち上がりがっちりと握手を交わした。 選手たちはグラウンドで整列し、吉報を待った。江崎校長が「おめでとう。出場です。東海の代表として精いっぱい頑張って戦ってきてください」と伝えると選手たちは表情を緩ませて「ありがとうございます」と応え、拍手した。 続いて、選手たちは伊藤大惺主将(2年)と村田監督を胴上げ。ガッツポーズをしたり、肩を組んだりして、喜びを分かち合った。 村田監督は「うれしいの一言。選手たちとこういう結果を味わうことができて、言葉がない。甲子園では投手を中心に守って、チャンスを生かせるようにサポートしたい」と語った。伊藤主将は「ドキドキしてこの日を待っていた。甲子園でもチームのために一人一人が自分の役割を考えてつないでいく、山商らしい野球を見せたい」と意気込んだ。 昨夏の県大会では、宇治山田商は決勝で惜敗し、あと一歩、甲子園に届かなかった。伊藤主将は「3年生から思いを受け継いだ。秋の大会で良い結果が残せたのは、3年生のおかげもある」と話した。 グラウンドの外で様子を見守っていた保護者やOBたちも、出場が決まると一斉に「やった!」「おめでとう!」と声を上げ、拍手した。夏の県大会まで主将を務めた家城優斗さん(3年)は「うれしい。自分たちがやってきた野球を全国の舞台で発揮してほしい」とエールを送った。 ◇号外配られ笑顔と涙 ○…センバツ出場決定を報じる毎日新聞の号外3000部が発行された。受け取った選手や生徒、保護者らは、「春切符」「のびのび野球で東海4強」などと書かれた紙面に笑顔や涙で見入っていた。また、校舎には懸垂幕が掲げられた。山下由佳理さん(42)は娘の怜夕さん(18)が野球部でマネジャーを務め昨年3月に同校を卒業し、統也さん(16)が在籍中といい、「娘は甲子園に行きたくて宇治山田商に入り、マネジャーで頑張っていたがコロナに阻まれた。今年、息子が入部し4年越しの夢がかなった。めちゃくちゃうれしい」と喜んだ。 〔三重版〕