<ラグビー>大学選手権でジャパン組はどう輝くか
6月15日、東京は秩父宮ラグビー場で欧州王者のウェールズ代表を23-8で破ったときには、ジャパンの背番号「11」を背負っていた。11月のオールブラックス戦では試合終了直前に幻のトライを演じた。会場のオーロラビジョンには、そのワンプレーのせいで負けたかのような顔の福岡が映された。 しかし、この人は失敗を糧にできる。「1試合、1試合、レベルの高い試合を経験させてもらっている。1回出た課題は、もう1度出ることのないようにと心がけています」。9日、エディンバラのマレーフィールドで欧州6強の一角であるスコットランド代表とぶつかった際は、2トライを決めている(17-42で黒星)。 筑波には、他にもジャパンのスクラムハーフ、内田啓介主将、ジュニア・ジャパンの司令塔を務めた新人スタンドオフ山沢拓也ら逸材が揃う。 ■日本を背負う逸材 早大・藤田慶和 福岡と双璧をなすランナーが、早稲田大2年の藤田慶和である。身長184センチ、体重90キロ。東福岡高時代から大きな歩幅で自在に駆け、大学1年時の5月5日、福岡のレベルファイブスタジアムでのアジア五カ国対抗・UAE代表戦でジャパンデビューを果たす。国内のテストマッチ最年少出場記録を18歳7ヶ月27日に塗り替えたその日、6トライをマークした。 今夏はニュージーランドのカンタベリー州へ留学し、将来のスーパーラグビーデビューやオールブラックス入りを目指す若者と切磋琢磨した。目指すは在学中のスーパーラグビー挑戦。フルバック(FB)として挑む学生レベルの大会も、世界に出るための試練の場と捉えている。 ■代表入りを争う帝京大・中村亮土 帝京大のBK、中村亮土主将もまた、ジャパンのメンバー入り争いに加わっている。代表召集2年目の今年5月10日、アジア五カ国対抗・UAE代表戦で初キャップを獲得した(93-3)。ポジションはスタンドオフやセンター。身長177センチで体重93キロという強靭な体躯、持ち前の観察眼。これらをフル活用したそつのない試合運び、折を見ての大きな突破を魅力とする。