静寂の全英テニスで選手を悩ませる観客のタメ息とうなり声と、その対応策
1990年代に活躍した男子テニスのマーク・ペッチーは、「今なら笑って話せることですが、あの音は自分の自信をむしばまれるもの。ひどいショットが10倍くらい拡大される感じ。観客は分かっていない。何にため息をついているのだろうかと考えることのできる選手もいる。でも、私は、そうは考えられない選手でした」と、観客から起こるため息やうなり声に悩まされていたことを明かした。 しかし、ウィンブルドンの観客は、地元の選手には大きなサポートをしてきている。ペッチーは、「私のスポーツ心理のコーチは、みんな、あなたに勝って欲しいだけなんだよ、と。その言葉でかなりよくなりました」ともコメントしている。 では、現役の選手は、どのように対応しているのか。 スタン・ワウリンカは、「観客がマッチに入り込んでいるというのを感じるのはとても良いこと。簡単なミスをしてしまったら、もちろんハッピーではいられない。しかし、それは観客が悪いわけではない。テニスはいつもすばらしいファンのいるスポーツ。我々選手はみんなミスをする。簡単そうに見えることでミスをしたら、見ている人は驚く。テレビの前ではみんなやったことあるはず」と、前向きにとらえているという。 この記事は、元選手のグレグ・ルゼドスキーのジョークを交えたコメントで締めくくっている。 「ロジャー・フェデラーの時はあまりそういう声がない。もしかしたら、彼がダブルフォルトをしても、それが最も美しいダブルフォルトだから、観客は手を叩くのかもしれないね」