ドーナツ、ケーキからアイスまで!低カロリーで低糖質に仕上げるルールとは
家でケーキやクッキーを作るとき、砂糖やバターの多さに驚いた経験はないだろうか。カロリーや糖質が気になって、スイーツを我慢している人も多いはずだ。お菓子研究家の本間節子さんも、そんなことを考えていた1人。長い間、「体にやさしいお菓子」は気になるテーマだったという。 その本間さんが10月に、ずばり『体にやさしいお菓子』というタイトルのレシピ本を出版した。米粉、米油、大豆製品、甘酒などを程よくとり入れ、白砂糖ではなく、精製度が低い砂糖を使って動物性脂肪を減らしたり、グルテンを控えたり。手持ちのレシピの配合を工夫して試作を重ね、たどりついたものだ。 目指したのは、無理なく作れて、毎日食べたくなるお菓子。そして、食べたあとも罪悪感を感じずに体にすっとなじむお菓子。クッキーやドーナツも、ケーキもひんやり冷たいスイーツも、本間さんのレシピなら心行くまで味わえる。 具体的なレシピは本をご覧いただくとして、ここでは本間さんが「体にやさしい」を実現するためにどんな工夫をしたのか、本から引用する形で紹介したい。どんな人のお菓子作りにも、応用できる考え方だ。 *** お菓子作りの好きな方には、クッキー、スコーン、ドーナツなど、粉の割合が多いお菓子が好きな方が多いのではないかと思います。もちろん私も、粉のお菓子は作るのも食べるのも大好き。でもおいしいからといって食べ過ぎてしまうと、食べたあとでおなかが張ったり、眠くなってしまうことも……。 そんな粉もののおやつを体にやさしく作るなら、粉の一部をオートミール、全粒粉、豆腐やおから、ナッツ、米粉などに置きかえてみるのがおすすめです。オートミールはGI値が低くて糖質控えめ、食物繊維もたっぷり。豆腐はなめらかな絹ごし豆腐がおすすめです。米粉を使えばグルテンフリーのお菓子になります。粒子が細かい製菓用のものがいいでしょう。
きび砂糖やメープルシロップのやさしい甘さも手伝って、軽やかなのに味わい深いお菓子に仕上がります。しかもほとんどのお菓子がワンボウルでできるので、気負わず作れて片付けもらくちん。まいにち作って食べたくなる、体にも心にもやさしいおやつが出来上がります。 本格的なケーキも、糖質低めの果物をアクセントに使ったり、ヨーグルトや米油、米粉をとり入れたりすることで、体にやさしく作ることができます。 例えばショートケーキなら、米粉のスポンジを少し大きな型で薄めに焼いて、低脂肪の生クリームと低糖質の果物を合わせます。私が使う生クリームは、 乳脂肪分が35~36%のもの。糖質が低めの果物は、桃屋ブルーベリーなど。こうした材料を使うことで、さっぱりと軽やか、それでいて最後の一口までしっかりとフルーツが感じられて、満足感のあるケーキに仕上がります。 冷たいスイーツを「体にやさしく」作るのに欠かせないのがは甘酒です。「甘酒は飲む点滴」と耳にするようになってずいぶんたちました。ここ数年、「米麹(甘麹)で作る甘酒は飲みやすくて体にもいいよ」との声を耳にして、手にとって飲んでみたら、なんておいしい!自然な甘さととろみがあるので、砂糖の量を減らすことができ、乳製品とも合わせやすいのがポイントです。 もちろん、お菓子の材料として幅広く使えますが、特にアイスなどの冷菓とは相性抜群。甘酒の他にも、食物繊維が豊富で低カロリーな寒天、ゼラチン、無糖で乳脂肪分があまり多くないヨーグルト、牛乳に比べてカロリーも糖質も脂質も低い豆乳、野菜や糖質低めの果物など、体にやさしい素材を使った口当たりのいいデザートは、身近な材料で気軽に作れるのに、外ではなかなか出合えません。是非、試してみてください。 (構成 生活・文化編集部 森 香織/写真 公文美和)