「初めて話します」握手会で人気を獲得した元・乃木坂46 衛藤美彩「前例なし!グループ初の卒業ソロコンサートの秘話」を明かす
── そのときお母さんの言葉に「ハッ」とさせられたんですね。 衛藤さん:それが全然。むしろ言い返したくらいです。「絶対お母さんはわかんないと思う、私の気持ち。ゆっくり寝てる人にはわからない」って。でもだんだん目の前の現実でうまくいかないことが増え、「あー、やっぱり私って感謝ができてないな」と感じて、母の言葉の意味が徐々にわかるようになりました。 プライベートで母に当たっていたときは、表に出ているアイドルとしてはいろんな見えない苦労をしてベストを尽くしていたときですから、周りから見たら一番輝いていたときなんです。綺麗でいること、ファンの方に愛される自分でいることに全力を注いでいましたから。アイドルとしてこうあるべきという“理想の衛藤美彩”を演じていくうちに、本当の自分がわからなくなっていたんでしょうね。
今は出産して家事をして育児をして、一般的な価値観を持てるようになりましたけど、振り返ったら、パラレルワールドの別人格に思えます。当時の私はすごくキラキラしていましたね。夢の国にいたような。いいことも悪いこともすべて頑張って輝いていた8年間だったなって、今は不思議な気持ちですね。
■「初めて話します」前例がなかった卒業ソロコンサートの秘話 ── 卒業を決めたのはどういうきっかけだったのでしょうか? 衛藤さん:20代後半は何か別の挑戦をしてみたかったので、25歳くらいには卒業しようと決めていました。私、アイドルになって、いろいろな夢を叶えさせてもらったんです。雑誌のモデルをしたり、MVで演技をしたのを機に芝居の魅力を知ってミュージカルの舞台にも立たせてもらったり。「自分の叶えたいリスト」があって、それが全部叶ったというのも卒業の理由です。
初めて話しますが、そのリストの中で、ひとつだけ卒業までに叶ってなかったのが、ソロコンサートだったんです。正直、“夢のまた夢”すぎて、リストに入れていたけどカウントしてなかったくらい。「卒業したいです」と相談したときに「卒業コンサートどうする?」という話になり。空いている会場の関係で、思いがけずソロコンサートをする運びになりました。 前例がないことだったので、驚きすぎて鳥肌が立ちましたが、「それが叶うならやらせていただきたいです!」と即答でしたね。それまで卒コンと言えば東京ドームのような大きな会場でメンバー全員で、という形が定番でしたが、8000人収容規模の両国国技館で開催となったので、運よくソロという形が叶ったんです。結果的に、乃木坂46での興行としてソロでコンサートを行うのは私が初となりました。動員数の10倍を超える8万人の応募をいただき、驚きましたし、嬉しかったです。日頃からソロコンの夢を口にしていたこと、それを覚えてくださっていたスタッフの方がいたこと、スケジュールやさまざまな条件がマッチして本当に偶然、叶った夢でした。やりたいことを口に出すことは大事で、それを誰に言うかも大事だなと実感しました。