「初めて話します」握手会で人気を獲得した元・乃木坂46 衛藤美彩「前例なし!グループ初の卒業ソロコンサートの秘話」を明かす
ファンの方に直接会える機会ですからこんなチャンスを活かさないわけにはいきません。「美彩ちゃんを応援したいな」と思ってもらえるよう、いろんな作戦を実行しました。テーブルの端から端まで最大限、手を放さずに握手したり。握手会ノートをつくってファンの方の特徴を記録していきました。この人は友達っぽくとか、この人は恋人っぽく話すことを求めているんだとか、来てくださる方のニーズに合わせて対応もしましたね。 ファンの方には「ガムテープに名前を書いて名札を貼って来て」とお願いしてお顔と名前を覚えました。次に来た時に「この間も来てくれましたよね」って言えるように努力しました。そういう工夫を2度、3度と重ねるうちに、興味を持ってもらえることが増え、たくさんの方に応援していただけるようになって。私の場合は本当に最後まで握手会に助けられました。
■「表舞台の人の気持ちなんかわからないでしょ」母に当たる ── 大分から単身上京してアイドルを続けることは、ご苦労もあったのではないでしょうか? 衛藤さん:そうですね。華やかな世界ですがプロの仕事現場ですから、ウキウキすることばかりではなく、「逃げたい」とか「大分に帰りたい」と思ったこともありました。最初は知名度ゼロでティッシュ配りをして宣伝したり、収入が安定せず「もやし炒め」を食べる日々も経験しました。アンダーとして苦しく、つらい2年間もありましたが、その間、弱音を吐くホームシックの私に、母が大分の食べ物を送ってくれたり励ましてくれたりしてくれたので、乗り越えることができました。
人気が出ると今度は多忙すぎて記憶が飛ぶくらいに。ずっとメイクをして過ごしていて、素に戻れる時間がほとんどありませんでした。そんなとき、母から叱られたことがありました。今思えば、忙しさから気持ちの余裕がなくなり、家族に八つ当たりしていたんですよね。「表舞台の人の気持ちなんてわからないでしょ」って。睡眠が十分にとれていないし、ライバルである仲間たちと競争する世界にいて、心がギスギスしてしまったときで。母に「人としての感謝の心まで忘れるんだったら辞めたら?」と言われたんです。