神風特攻隊第1陣出撃から80年… 中野磐雄海軍少尉を慰霊、あらためて平和を誓う 福島県南相馬市原町区
神風特別攻撃隊(特攻隊)の第1陣の隊員として1944(昭和19)年10月25日にフィリピン沖で戦死した、福島県南相馬市原町区出身の中野磐雄海軍少尉の慰霊祭は19日、同区の夜の森公園で行われた。特攻から80年の節目に、参列者は平和の大切さをかみしめた。 二本松市出身で埼玉県在住の谷口恵さん(63)が2020(令和2)年から、中野少尉の命日に合わせ、個人で続けている。今年は中野少尉のおいで原町区在住の遠藤洋さん(74)、中野少尉が入隊していた甲種予科練の後輩だった東京都の故黒川啓さんの長男の壮之介さん(71)が昨年に続いて参列した。 公園に建立されている中野少尉の胸像の前に祭壇をつくり、谷口さんが祭文を奏上し、母国のために命をささげた中野少尉や特攻隊員を弔った。谷口さんのオカリナ演奏に合わせ「若鷲の歌」「海ゆかば」「故郷(ふるさと)」「君が代」を歌った。 ◇ ◇ 谷口さんは今夏、友人で特攻隊をテーマにした写真家の福居寛美さん(70)=横浜市=から、中野少尉の肖像画の写真を譲り受けた。福居さんは、中野少尉らが最後に飛び立ったフィリピンにある私設の特攻隊博物館を訪れた際、館長が描いた中野少尉の肖像画を撮影した。
谷口さんは肖像画を〝里帰り〟させようと額縁に飾り、遠藤さんに贈った。遠藤さんは「おじが亡くなって80年たつが、今も国内外で大切に思われていることに感謝したい。平和が世界に広がることを願う」と語っている。 (相双版)