「強いリーダーと取引を好むから堂々と話を」元大使に聞くトランプ氏の“トリセツ”
アメリカ大統領選挙で勝利したトランプ氏は、スーザン・ワイルズ氏を大統領首席補佐官に起用すると発表しました。 【画像】「強いリーダーと取引を好むから堂々と話を」元大使に聞くトランプ氏の“トリセツ”
■首席補佐官に“門番”を起用へ
大統領選で選対本部長を務めた人物です。彼女が担っていたのは、誰がトランプ氏に近づいていい者なのかを選別すること。いうなれば門番です。 トランプ氏にモノ言える人を側近に。常にトップダウンだった前回からの変化を表しているのかもしれません。 ちなみにワイルズ氏、一部報道では、黒船来航で有名なペリー提督の遠い親戚とも伝えられています。事実であれば、日本と浅からぬ縁を持つ人が、次期政権の中枢を担うことになります。 これから4年間、日本は“トランプ合衆国”とどう向き合っていけばいいのでしょうか。
■電撃訪問が蜜月関係のきっかけに
前トランプ政権と蜜月の関係を作った安倍元総理。その元で、駐米大使を務めた杉山晋輔氏に聞きました。 日米の距離が一気に近づく転換点になったのが、8年前のこの時期、安倍元総理が発した一言だったといいます。 安倍政権時の駐米大使 杉山晋輔氏 「官邸の執務室に呼ばれて『話が違う』と。『トランプ勝ちそうじゃないか』と言われて。『就任する前に、直接会って話をしたい』とおっしゃった。そのときは、トランプさんじゃなくて、オバマさんが大統領だった。普通の外交儀礼的にはあんまりやらないことなので、私も含めて事務的には、そういうことはしない方が良いと」 周囲の制止を振り切り、安倍元総理は、大統領選から10日も経たないうちに、トランプタワーまで出向きました。この世界で誰もしようとしなかった電撃訪問が、両者の関係を決定づけたといいます。 安倍政権時の駐米大使 杉山晋輔氏 「主要国の首脳、政府からトランプ氏がどういう人だろうと。ある種の懸念というか、ちょっと様子見的なところがあったときに、『東洋の大国の日本の宰相が、まず自分のところに来て、懐に飛び込んでくれて、胸襟を開いて話をしてくれ』たと。『これは本当に忘れられない』と、ご自身も言っていましたから」