茨城町の若手農家が図書館に絵本寄贈 子どもたちが農業に接するきっかけに
茨城町の若手農家で組織する「HAERU(ハエル)マーケット」事務局が10月17日、茨城町図書館(茨城町小堤)に絵本を寄贈した。(水戸経済新聞) 【写真】(左から)絵本を手にする職員の志田さん、斉藤さん、萩谷さん、館長の石崎さん この日は、事務局を代表して「ファームランドさいとう」(若宮)社長の斉藤卓也さん、「Farmer’s lab(ファーマーズラボ)ハルミノリ」(越安)代表の萩谷展研(ひろあき)さんが、同町図書館長の石崎裕子さんを訪ね、絵本を手渡した。 「HAERUマーケット」は同町の若手農家が中心となり2017(平成29)年から始めたイベント。生産者が直接客と顔を合わせて野菜などを販売し、茨城の農業とものづくりの魅力を発信している。事務局では「HAERUベジ」としてブロッコリーやキャベツ、ベビーリーフなどの種をまいて育て、「ポット苗」として販売。同商品の売り上げで「農業」や「食」に関する絵本を購入し、町図書館への寄贈を続けている。 絵本はそれぞれのスタッフが思いを込めて選んだという。ネギ生産者の和田真由美さんは「野菜は花を見る前に食べたり、花が咲いた後に実がなって食べたりなど、花を見る機会もなく食卓に届く。野菜の花も知ってもらいたい」との思いから「やさいのはな、なんのはな?」を選んだ。ブドウ生産者の道川栄治さんは「果物の絵がきれいで、豆知識もあり勉強になる」と「くだもののずかん」を選び、「なんとなくでもいいので、果実に興味を持つことで、農業分野に関心を持つきっかけになれば」と期待を込める。クリ生産者の海老澤弥伸さんは「ちんすこうとすあまが登場してかわいい。小さな子でも楽しめる話を」と「ふしぎなくり」を選んだ。 今回寄贈した絵本は7冊。これまでの活動で寄贈した絵本は合計で14冊になった。 絵本を受け取った石崎さんは「今の子どもたちは農業に接する機会がないため、畑でどのように野菜が作られているかなどを知らない。絵本を見て農業に興味や関心を持つ子も出てくると思う」と話し、これまで寄贈された絵本を集め、館内に「HAERUマーケット」のコーナーを作ることを約束した。 斉藤さんと萩谷さんは「農作物を販売するだけでなく、地域の子どもたちに還元する『循環型』の活動をこれからも続けていきたい。いつか図書館に『HAERUマーケット』のコーナーができたらと思っていた。夢がかないとてもうれしい」と笑顔を見せる。
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