田原総一朗氏 反戦信条で共通した渡辺恒雄氏を悼む「首相に物申せる人間いなくなった」
渡辺氏と長年親交のあったジャーナリストの田原総一朗氏(90)は「残念無念です。首相に物を申せる人間がもういなくなった」と悼んだ。 「昔はしょっちゅう会って一緒に野球観戦もしました」と政治談議から野球談議まで交わした間柄という。ともに戦争を経験した年代で「僕らが一致していたのは、日本は再び戦争をしてはいけない、戦争しない国にしないといけないということ」と反戦の信条が共通していた。 強い反戦思想の持ち主だった。田原氏は「反戦思想を強くしたのは、やはり軍隊の経験があったから。軍隊では東大卒というやっかみで、だいぶいじめられたそうだ。あの時代は陸軍士官学校などにいくのが通常だったから」と話す。「戦争をしない国にするには対米従属ではなく対等の同盟にするべきで、軍事力を強化するべき、というのがナベツネさんの考えだったね」と明かした。 政界に強大な影響力を持てたのは「権力を批判するのではなく、直接首相に会って“こうすべき”と言うことが大事という考えだったから。主体性を持って政治に関与していた」と話し、「首相から相談を受け、説得するために物を申すことができる存在の人間がいなくなった」と惜しんだ。