万博子供招待で運行の貸し切りバス、1000台増の5000台分確保 大阪府が輸送力強化
大阪府が来年4月開幕の2025年大阪・関西万博に府内在住の子供を無料招待する事業で、移動に使う団体用貸し切りバスを従来の延べ約4千台から千台分積み増し、延べ約5千台を確保したことが21日、関係者への取材で分かった。主要な移動手段はバスと地下鉄に限られる中、会期中の来場を希望する子供は約68万人に上る。府は「輸送力を強化し、子供たちを安全に送り届けたい」としている。 【地図でみる】無料招待事業での主な交通手段は貸し切りバスと地下鉄 府は無料招待の対象者を府内在住の4歳から高校生までとし、来年10月までの会期中、比較的来場者が少ないとみられる4~7月の平日を中心に招待する予定だ。 府によると、少なくとも約68万人が来場を希望。府は学校単位での参加を呼び掛けており、人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)にある会場までの主な交通手段は貸し切りバスか、大阪メトロ中央線になる。 貸し切りバスは今夏までに延べ約4千台を確保していたが、府はその後も各地のバス会社に協力を仰ぎ、延べ約5千台まで増やした。1台当たり45人程度で試算した輸送人数は、従来の約18万人から約22万5千人まで増強された。 懸念されるのは、熱中症リスクだ。児童らは乗降場から会場の西ゲートまで約1キロの通路を歩いて移動する必要がある。万博を運営する日本国際博覧会協会は、比較的リスクが高い小学校低学年の乗降場所をゲート近くに移し、通路に扇風機やミスト噴霧器を設置することも検討している。 協会の来場者輸送計画では、成人を含む1日当たりの全体の来場者数は多い日で22万7千人と想定。輸送力は鉄道よりもバスのほうが早く限界に達し、20万人を超えると、鉄道の負担割合(分担率)が一気に増えると見込む。 大阪メトロは7月時点で12万9千人だった分担率を13万3千人まで引き上げた。来場者による混雑が予想されるため、子供専用列車の運行など対策を進めている。(山本考志)