延長戦の末、東海大相模が相模原弥栄を2-1で下し全国へ!逆転勝利の裏にあった、初志貫徹とチームを変えた半年間の取り組み
6月15日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選2次予選の準決勝が行われ、弥栄と対戦した東海大相模が延長戦の末に2-1で勝利し全国切符を獲得した。 【フォトギャラリー】弥栄 vs 東海大相模 先制は相模原弥栄。前半25分、FW8橋爪櫂(3年)のパスを受けたFW11西村駿(3年)が狙いすましたシュートが決まり、機先を制した。1‐0のまま、進んだ後半。終了間際の40分、東海大相模、途中出場のFW17戸川昌也(2年)のロングスローからMF8小林晄也(3年)が頭で押し込み、土壇場で同点に追いつき10分ハーフの延長戦へ。 そして迎えた延長後半5分、東海大相模 途中出場のFW22佐藤瞭成(3年)がペナルティエリア内で倒され、PKの判定に。これをキッカーMF10沖本陸(3年)が決め、2-1とし逆転勝利を収めた。 「いや~よかった~」思わず、安堵の声を漏らした東海大相模 有馬信二監督。後半終了で追いつき、延長戦で逆転と厳しい試合を強いられての勝利だけに無理もない。 相模原弥栄は高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2024 神奈川 K3所属ながら、この大会の3回戦で桐蔭学園に2-1、準々決勝で川崎橘を1‐0で破り勝ち上がったが、これは偶然でもただの勢いではないことを証明した。相模原弥栄はやや後ろに構えながら、ボールを奪取するやゴール前に一直線。そのシンプルさが、迷いのなさと力強い推進力を生んだ。 延長戦を含めた100分間を振り返れば、東海大相模がボールを支配する一方、決定機は相模原弥栄。一撃必殺のカウンターが何度もスタジアムを沸かせた。 こうなると東海大相模としてはボールを持っているはずなのに、持たされている感覚、錯覚に陥りやすいものだが、イレブンはそんなやわではなかった。DF5佐藤碧(3年)は「自分たちでボールを回していた感触しかなかった」と話せば、PKを決めたMF10 沖本は「持たされているというか、こちらのテンポが遅くて、特に前半、攻撃のリズムが作れなかった」と反省を口にするなど、相模原弥栄同様、迷いなくプレーし続けたことがわかる。 そこには背後を突くロングボールは避け、ボールを最後まで回し続け、相手を崩していく有馬監督の初志貫徹があった。これを支えたのがここ半年間のチームの取り組みにあった。 「うまいだけでは絶対に勝てない。うまい選手が走れて、タフになる。これがことしのチームの目標」と有馬監督はこれまであまり取り組まなかった走りこみやウェイトトレーニングを徹底的に行い、さらに食事面にも気を配り、身体作りの強化を実施した。 この日の試合でいえば、決勝点となるPKを得たスピードスターFW22佐藤(瞭)の投入など、交代の妙もあったが、この半年間の不断の取り組みが今日の逆転劇を生んだといえる。 「神奈川の天下を取り、チャンピオンになって、全国に行きたい」と決勝に向け、士気があがる有馬監督。なお、決勝の相手は桐光学園となった。 (文・写真=佐藤亮太)