甘いマスクの千葉雄大、連続殺人事件を追う
甘いマスクと温もりあるキャラクターで多くの女性ファンをとりこにしてきた俳優・千葉雄大が、当たっている。今度は、連続殺人事件に挑む刑事役で映画『スマホを落としただけなのに』(中田秀夫監督、11月2日公開)に出演する。北川景子が派遣社員役で主演する同作は、北川演じる稲葉麻美の彼氏(田中圭)がスマホを落としたことから、麻美の身の周りで奇妙な出来事が起こるさまを描く。千葉は、同じ頃に発生した連続殺人事件を追う若い刑事・加賀谷学役だ。人里離れた山の中で次々と若い女性の遺体が見つかり、加賀谷は、長い黒髪の女性ばかり狙われていることに気づく。原作は無名の新人・志駕晃氏によるデビュー作『スマホを落としただけなのに』(宝島社文庫)で、映画化のオファーが殺到しているそう。千葉に話を聞いた。 【写真特集】千葉雄大『スマホを落としただけなのに』で刑事役
好感度バツグンの真摯な姿勢
「スマホが重要なアイテムとして登場しますが、僕自身はあまり使わないですね。なくしたら困りますが、家に置き忘れるぐらいなら何の支障もない。どっちかというとおっくうに思うことが多いです」 本題に入る前に、軽くスマホについて聞いてみると、テレビで見る通りの飾らない雰囲気でそう答えてくれた。シリアスなシーンの多い刑事ものは初めてではないが、今回の加賀谷役は面白い仕事になったようだ。 「自分の生い立ち、バックグラウンドと事件がリンクしていく感じとか、事件は自分の近くで起こるものとして考えられる。すごく面白い役どころだったと思います。割と人間模様も複雑だったりするので、そのさじ加減というか、感情の微妙な表現を意識しました」 質問の一つ一つに真剣に考えながら答える姿からは、演技に対する真摯な姿勢が容易に想像できる。ドラマに映画に出演が絶えないのも、そんな姿勢が周囲に好感を持たれているからかもしれない。現場の雰囲気は、良好だったという。『リング』『クロユリ団地』など数々の作品で知られる中田秀夫監督自身が、ある意味、ムードメーカー的存在でもあったようだ。 「事件ものなので、学園もののようなポップな雰囲気はもちろんありませんでした。でも、僕が言うのもおこがましいのですが、中田監督がチャーミングな方なので、シリアスなシーンも一つ一つ解説してくださったり、ていねいに撮ってくださって、こちらも『よしゃ!』って気合を入れて臨める現場になりました。監督には、勝手に癒されていました」