スウェーデン中銀、0.5ポイント利下げ-景気停滞で緩和ペース加速
(ブルームバーグ): スウェーデン中央銀行は7日、政策金利を0.5ポイント引き下げた。10年ぶりの大幅利下げに踏み切ったことに加え、さらなる利下げ見通しも示し、停滞する経済への支援を加速させた。
中銀は政策金利を2.75%に引き下げるとともに、12月と2025年前半の追加利下げも示唆した。ブルームバーグのエコノミスト調査では21人中18人がこの日の0.5ポイント利下げを正しく予測した。
中銀は声明で「経済活動をさらに支援するためには、政策金利を9月時点の想定よりも速いペースで引き下げる必要がある」とし、「経済活動が勢いを増すことはそれ自体重要だが、インフレ率を目標値付近で安定させる上での必要条件でもある」と説明した。
スウェーデンでは経済の回復がもたつく一方で物価上昇圧力は急速に低下している。
中銀はインフレ率が来年に入ってもしばらくは2%の目標を下回る状態が続くとみており、低インフレが定着する可能性も否定できない。
0.5ポイント利下げで、欧州中央銀行(ECB)との間の金利差は拡大することになる。ECBは現行の四半期ごと、0.25ポイント刻みの利下げペースを速めることは今のところ考えていない。
テデーン総裁率いるスウェーデン中銀は、独自の政策を打ち出す自信を深めている。昨年初めから物価上昇が大幅に鈍化したため、クローナ安によるインフレを懸念することなく、国内需要を刺激するため利下げをする余地が生まれている。
経済について中銀は「エコノミストの間では、経済が今後好転するとの見通しがあるものの、回復の兆しはまだ明確ではない」とし、「経済情勢の評価は現時点では困難であり、特に海外の情勢、とりわけ米国の選挙後の情勢は評価が難しい」とコメントした。
原題:Sweden’s Riksbank Steps Up Easing Pace With Half-Point Rate Cut(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Niclas Rolander