【給付金】年金世帯にも検討へ。厚生年金は「男性でも平均月額約16万円」、女性はいくらか
老後の生活費は単身世帯で「約3万円」の赤字
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、老後のひとり暮らしの生活費は以下の通り。 月の収入 収入:12万6905円(うち社会保障給付11万8230円) 月の支出 ・消費支出:14万5430円 ・うち食料:4万103円 ・うち住居:1万2564円 ・うち光熱・水道:1万4436円 ・うち交通・通信:1万5086円 ・うち保健医療:7981円 ・非消費支出:1万2243円など 支出合計15万7673円 月の収支:▲3万768円 上記では年金収入が12万円近くとなっていますが、税金や社会保険料である非消費支出が約1万2000円、また消費支出が約14万5000円となっており、月に約3万円の赤字です。 ちなみに総務省「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表2023年」によれば、65歳以上単身世帯の消費支出額の平均は、男性で15万1182円、女性で14万8028円です。消費支出だけでも14~15万円かかり、さらに税金や社会保険料もかかることになります。 年金だけでは生活できない高齢者も多いでしょう。
【年金】2024年度は2.7%増額も物価高に届かず。早くから老後の備えを
物価高が続いていますが、年金額は以下の通り増額されています。 ●2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比) ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円) ・厚生年金※:23万483円(+6001円) ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。 2024年度は物価高により増額となりましたが、マクロ経済スライドの調整により、実質的には目減りとなりました。 年金の平均的な金額をみてきましたが、厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」によれば年金だけで生活している世帯は44.0%となっており、半分以上の世帯は年金だけでなく年金以外の所得とともに生活しています。 長引く物価高のいま、政府の年金世帯や低所得者世帯への追加の給付金の検討は助かる世帯も多いでしょう。 今回のような社会情勢の変化による家計への影響を考えると、早くから老後に向けて貯蓄などを検討したいところです。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」 ・首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日 ・経済産業省資源エネルギー庁「電気・ガス価格激変緩和対策事業」 ・総務省「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表2023年」 ・厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」
宮野 茉莉子