建設会社元部長が背任容疑、被害額1・3億円…オンラインゲームに使用か
知人らの会社に架空の工事代金を請求させて会社に損害を与えたとして、警視庁は20日、建設会社「東興ジオテック」(東京都中央区)広島CE支店の元工事部担当部長、山本佳則容疑者(50)(福岡市西区)を背任容疑で逮捕した。被害額は約1億3000万円に上り、警視庁は、山本容疑者が一部をオンラインゲームや遊興費などに充てていたとみている。
捜査関係者によると、山本容疑者は在職中の2020年1月頃~21年9月頃、知人らが経営する広島県などの業者数社から取引先の建築会社に対し、架空の配管工事の人件費や資材調達費などを数回請求させて会社に計約1800万円を支払わせ、損害を与えた疑い。取引先と結んだ工事契約の関連工事を装っていたという。
山本容疑者は16年4月に工事発注を担当する別の部長職に就任。同12月以降、知人が経営する複数の建築会社などに架空の工事代金計約1億3000万円を会社に請求させていた。業者からは先払いで現金や商品券計約6000万円を受け取っていたという。
東興ジオテックは東証プライム上場のゼネコン「高松コンストラクショングループ」(大阪市)の子会社。同社は内部調査で架空取引が判明したとして、山本容疑者を22年8月に懲戒解雇し、23年2月に刑事告訴していた。
警視庁は架空請求に関与した広島県などの業者数社についても、背任容疑で任意の捜査を進めている。