「進平は蘇ります!」斎藤工が“進平ロス”を超えて届けたい思い 『海に眠るダイヤモンド』の裏側とは
塚原監督の手紙がもたらす温かさ──監督業でも活躍する斎藤工が思う理想的なチームワーク
――ご自身も監督として活躍をされていらっしゃいますが、同じ作り手側から見た本作の制作チームは。 「塚原監督はオンエアの前に俳優部に手紙をくれるのですが、真摯な向き合い方に背筋が伸びます。本当に監督の鑑です。この撮影現場が雛形になるのではと思うほど。どんな現場でも、視聴率やスケジュールに追われることはありますが、長くやっていると集中力が散漫になってしまうこともあります。でも、本作はすでに半年近く撮影をしていますが、いい意味での緊張感とエネルギーの循環をキープしていて素晴らしい環境です。作り手としても、演じる側としても、どの角度から見ても理想的なチームですね」 ――塚原監督からの手紙の中で、印象に残っている言葉はありますか。 「第4話で、進平がリナに瓜を渡し、来年も端島にいることを暗に約束させますが、『そこで振り返ったときの笑った顔が今回の進平のポイントです』と手紙に書いてあって。それに加えて『台本に書かれていない部分を作ってくれてありがとうございます』と、感謝の言葉が綴られていました。いつも感謝のお手紙をくれるのですが、こちらこそですよと思いながら、そのうれしさはやはり撮影でのエネルギーになるんです。だからといって役者のモチベーションを上げるために書いているわけではなく、率直な思いであることもわかる。だからこそ、皆さんもモチベーションが下がることがないんだろうなと思います」 ――では、最後に最終回までの見どころをお願いいたします。 「終盤に向けて、進平は蘇ります!(笑)アクションゾンビ映画になる…というのは冗談で、これまでとはまた一味違う展開に。進平は亡くなってしまったけれど、彼の存在はずっとあって、それがとても丁寧に描かれています。進平の撮影は他の皆さんよりも早く終わってしまいますが、こんなに寂しさがないのは初めてかも。いつもならもっと作品から離れて客観的に見るようになるのですが、今回はまだ同じ船に魂が乗っている感覚です。生き残った人々に託した思いを見守りつつ、無事に最終話までたどり着くことを同じ船の中から応援していきたいです」 斎藤工が進平として遺した存在感は、亡くなった後も家族や仲間の中で強く息づく。彼の死がどのように物語を揺るがし、そして再び希望を紡ぎ出していくのか。その過程で描かれる愛と絆の物語が視聴者をさらなる感動へと導いてくれるだろう。
ENCOUNT編集部