【日本S】伊原春樹氏「見事」 DeNAを3連勝に導いた6球連続チェンジアップ勝負
日本シリーズ第5戦が10月31日にみずほペイペイドームで行われ、セ・リーグ3位のDeNAがパ王者のソフトバンクを7―0で圧倒。本拠地2連敗から敵地で3連勝を飾り、1998年以来、26年ぶりの日本一に王手をかけた。このまま2日の第6戦(横浜)で勝負を決めるのか。東京スポーツ専属評論家・伊原春樹氏が目を見張った場面とは――。 【新鬼の手帳・伊原春樹】2勝2敗のタイに追いついたDeNAに、さらに勢いをつけたのが7回3安打無失点に抑えた先発・ジャクソンのピッチングだ。150キロ台のストレートも威力があったが、この日はチェンジアップがすごくいいところに決まっていた。 象徴的だったのが筒香の適時打で1点を先制した直後の3回の投球だった。二死二塁で栗原を迎えた場面でジャクソンは初球から全てチェンジアップで勝負した。フルカウントからの6球目は外角低めにズバリと決まって空振り三振。ピンチの場面で同じ球種を続けるのは勇気がいる。全球チェンジアップ勝負を選んだ戸柱の配球も見事だった。 6球連続チェンジアップという大胆な攻めの投球が決まってピンチをしのげば、打線もイケイケになる。続く4回の攻撃ではそれほど調子が良くなかった牧に3ランが飛び出しリードを広げたが、ジャクソンの好投が打線にも勢いをつけた格好だ。 ソフトバンクはホームに戻った第3戦以降は打線が湿りっぱなしだが、東、ケイ、そしてこの日のジャクソンとDeNA先発陣の調子が良かっただけに仕方ない面もある。第6戦からは横浜スタジアムに場所を移すが、そこでまた流れが変わる可能性もある。 王手をかけられたソフトバンクが巻き返すためにはやはり打ち勝つしかない。ソフトバンクには力のある打者がそろっているだけに最後までもつれる展開を期待したい。
伊原春樹