序盤の失点をものともせず、明法が2-1で逆転勝利「勇気と強い意志をもって、自分たちのスタイルを貫く」
第103回全国高校サッカー選手権東京予選2次予選が10月13日、各会場で行われ、Bブロックでは明法と都立葛飾野が対戦。明法が2-1で逆転勝利し2回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】明法 vs 都立葛飾野 先制したのは葛飾野。前半2分、左サイドの崩しから、ゴール中央FW20小林泰晟(1年)が決め、早々とゴールを決めた。機先を制された明法は前半7分、MF2 前川京弥(2年)がシュートは放ったが、これを葛飾野GK1ケディル ヤヌス(3年)が片手一本で防ぐ好セーブを見せた。 互いに好機を作るなか、前半28分、明法がCKのチャンス。ゴール前の混戦から、バーの跳ね返りをMF2前川が押し込んで、明法が同点に追いついた。 後半は前半以上に互いに攻め合う激しいオープンな展開となるなか、後半25分 MF2前川のクロスに主将FW9林佑樹(3年)が頭で合わせ、明法が逆転に成功。 このゴールをキッカケに残り時間はロングボール主体のフィジカル勝負に。これまでのハードワークが重なり、足をつる選手が続出した。 劣勢に立つ葛飾野。アディショナルタイムの表示にベンチから「時間はまだ十分にある。そのなかで仕留めろ」と選手たちを鼓舞した。 この声に応えるように葛飾野、CKの場面。相手選手のクリアボールに反応したFW9岩﨑凌(3年)がシュートを放ったが惜しくも枠外。試合終了となった。この試合で明法、MF2前川は1G1Aの活躍を見せた。 「(葛飾野に)してやられました、さすがだなと感じました」と開始直後の失点を振り返った明法・桑田直徹監督。 出鼻を挫かれたものの、逆転できたのは苦い経験を活かしたからだ。 「立ち上がりの失点が課題でした」と話したFW9 林によれば、ことしのインターハイ予選2回戦・都立日野台戦(4月28日)で、はじめに2失点したのち、自分たちで崩れてしまった結果、初戦敗退する悔しさを味わった。 もう二度と同じ思いはしたくない。桑田監督は「失点すると自分たちのスタイルを貫けなくなる、それだけはやめよう」と繰り返し、選手に伝えた。 この考え、習慣はチームに浸透し、拮抗したこの試合で発揮された。 「失点しても動揺せず、いままで積み重ねたもの、培ったものを出せる準備をしてきたので、焦りはありませんでした」(MF2 前川) 「途中、葛飾野の激しいプレスがありましたが、動じず、ボールを握れました。チーム内では3年生が後悔しないためにも「自分たちのスタイルは貫こう」と話し合いました。とにかくひとつひとつ前進していこうと気持ちを合わせてきました」(FW9林) ここにチームの、選手たちの心の成長が読み取れる。「常に勇気と強い意志をもって、自分たちのスタイルを貫いて、プレーできた。そのことがなにより良かったです」。試合後、応援スタンドの仲間と一緒に喜ぶ選手たちを見つめ、桑田監督はしみじみと語った。 なお、明法は19日、都立石神井と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)