グラウンドは亀裂入り使えず…能登半島地震被災地の高校ラグビー部が避難先から全国選抜大会へ「被災者に勇気を」
石川県輪島市の「日本航空高校石川」は2024年元日の能登半島地震で被災し、部活動ができなくなりましたが、避難先の岐阜県恵那市で練習を再開し、3月の全国選抜大会出場を決めました。選手たちを支えたのは、感謝の気持ちです。 【動画で見る】グラウンドは亀裂入り使えず…能登半島地震被災地の高校ラグビー部が避難先から全国選抜大会へ「被災者に勇気を」
■学校も家も被災…石川県のラグビー強豪校が震災で活動困難に
2024年2月4日、岐阜県恵那市のスポーツ施設にやって来たのは、石川県輪島市の「日本航空高校石川ラグビー部」の部員35人です。 全国大会19回出場の強豪校ですが、被災後1カ月ぶりに集まり、笑顔を見せていました。
選手たち: 「会えてうれしい。ハグしたいくらい」 元日、最大震度7の揺れを観測した「能登半島地震」で、輪島市は多くの建物が被害にあい、犠牲者も出ました。今も断水が続き多くの人が避難生活を余儀なくされています。
日本航空石川も、校舎の一部がひび割れ、窓ガラスは破損しました。
ラグビー部員が生活する寮は、物が散乱し…。
グランドは隆起して、亀裂が入り、練習場も学校も復旧の目途が立っていません。
輪島市がふるさとの1年生、小林静太郎選手の自宅も被災しました。
1年生の小林静太郎選手: 「テレビが倒れて…。戻したらこんな感じでバキバキなっていた。物が散らかったり、棚が倒れたり」
幸い、選手たちは全員無事でした。
■“ノーサイドの精神”で愛知の高校が支援
活動ができなくなったラグビー部に手を差し伸べたのが、愛知県のラグビー強豪校、中部大春日丘(はるひがおか)高校の宮地真監督でした。
中部大春日丘高校の宮地真監督: 「花園のグランドで揺れを感じて、石川で大きな地震があったということを知って、真っ先に思い浮かべたのが日本航空高校石川。北信越大会がたまたま長野県の飯田で行われる話を聞きまして、それだったら恵那の(中部大学)研修センターがすぐ隣なので、すぐ学園(大学側)に連絡して、すぐ貸してあげてほしいと」 両校は、20年近く交流を続けていて「試合中はライバルでも、笛が鳴れば仲間同士」。ラグビーのノーサイド精神が今回の支援を実現させました。