【追悼企画連載再録】2006年 WBC編「金メダルを首からぶら下げたとき大泣きしちゃいました」/大島康徳の負くっか魂!!
1本の電話から
金メダルをかけた大島さん[中央]
亡くなった大島さんを偲び、連載の幾つかを抜粋し、紹介しています。今回はオリンピック後でもあり、大島さんがコーチをした2006年WBCを振り返ったものを紹介します。 ◎ 話は一本の電話から始まりました。 「王です」 一瞬で背筋がピンとする方の声がしました。 2006年、第1回WBCのときです。監督の王貞治さん(当時ソフトバンク監督。現会長)から直々に「WBCで打撃コーチになってほしい」と電話がかかって「WBCってボクシングですか」って答えたのを覚えています。そのあと、「僕の役割は何ですか」と尋ねたら「君のその明るいムードで盛り上げてくれたらいい」と言われたので「技術的なことで、調子が落ちたときにアドバイスをしていいんですか」と聞いたら「それはしてもいいよ」と。まず、自分が何をすべきか確認したわけです。 すぐ選ばれた選手の所属チームのコーチに電話をして情報を集めました。日本を代表する選手ですから僕が何をアドバイスするというわけではなく、本当に困っているとき、選手、あるいは王監督にアドバイスを求められたらしっかり答えるためです。それ以外は黒子に徹し、雰囲気づくりと選手のコンディションを第一に考えようと思いました。 イチロー(当時マリナーズ)が日本ラウンドで打てなかったとき、王監督に「イチローは大丈夫か」って聞かれたことがあるけど、僕は「大丈夫です。空気が変わったら打てます」と言った。実際・・・
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週刊ベースボール