予想される田中将大の米移籍の値段はなぜ高いのか?
■米移籍市場 投手部門1位の評価 大リーグでは、5日にフリーエージェント(FA)選手との交渉が解禁。11日からはオーナー/GMミーティングがフロリダ州のオーランドで始まり、ストーブリーグが本格化する。今年は、エース格の投手が移籍市場に乏しいため、ポスティングシステム(入札制度)を利用しての大リーグ移籍が濃厚と報じられている楽天の田中将大の動向に、早くから注目が集まっている。 [表・記事]マー君 24勝1セーブの軌跡と「江川とマー君の共通点」 大リーグの移籍情報を専門に扱う「MLB TRADE RUMORS」というサイトは4日、「フリーエージェントのトップ50」を発表したが、その中で田中は、厳密な意味でFA選手ではないものの、全体の5位、投手ではトップの評価を受けた。「CBSスポーツ」でも、全体の3位(投手1位)に位置づけられ、それだけでも十分に注目度の高さが窺い知れよう。 ■入札額は75億円~100億円と予想 では、どのチームが入札に参加し、入札額は、どの程度となるのか。 現在、新制度は合意に向けて最終段階に入っているが、最高入札額を提示したチームが独占交渉権を得る点では変わらないと想定し、米メディアが盛んに落札額をはじき出している。 そのいくつかを紹介すると、まず、米「ヤフー・スポーツ」のジェフ・パサン記者は、落札額が高騰すると見込まれるため、ヤンキース、ジャイアンツ、カブス、ドジャースといった資金力のあるチームしか参加できないとした上で、あるナ・リーグのチーム首脳が、「1億ドル(約100億円)に届くのでは」と予想し、別のチームのトップは、「7500万ドル(約75億円)程度になるのでは」と話していた、と伝えた。 なるほど、ここまで値段がつり上がれば、レイズのような資金力のないチームには、端から手が出ない。その通りなら、レンジャーズがダルビッシュ有を獲得したときの落札額(5170万ドル)を大幅に上回ることにもなるが、その理由を「FA市場に魅力的な投手がいないから」とパサン記者は説明している。 「黒田博樹、バートロ・コロン、ウバルド・ヒメネス、マット・ガーザ、アービン・サンタナがFA のトップ5だが、その顔触れは、田中の需要を高めることになる」 これは、他の記者らも同様に田中の落札額が高騰するであろう一因として挙げている点だ。